仮眠時間は労働時間か(不活動時間分の賃金請求の可否)

長距離ドライバー,宿直を伴う警備員・医療従事者などの場合,労働契約上,実作業に従事しない不活動仮眠時間が設定されている場合があります。

実際の労働契約においては,この仮眠時間については,労働時間外として賃金支払計算から除外されていることがほとんどだと思われます。

では,この仮眠時間はすべて労働時間ではないとして賃金の支払いを要しないのでしょうか。

業務内容によっては,仮眠時間であってもすぐに業務に戻らなければならない場合もあり得ますので,一律に考えるべきではないでしょう。

そこで,以下,仮眠時間が労働時間と言えるかについて検討したいと思います。 “仮眠時間は労働時間か(不活動時間分の賃金請求の可否)” の続きを読む

1日の労働時間は秒単位・分単位で計算するものであり時間の切り捨ては賃金未払となる

従前,労働基準法にいう労働時間は,原則として日単位で計算するのであり,週単位・月単位・年単位ではないということを説明しました。
本稿では,この日単位の計算についてより具体化し,1日あたりの労働時間をどのようにとらえるのかについて,実社会においてよく見られる労働時間切り捨ての合法性の検討を基礎として説明したいと思います。 “1日の労働時間は秒単位・分単位で計算するものであり時間の切り捨ては賃金未払となる” の続きを読む

労働基準法にいう労働時間は原則として日単位で計算する(未払賃金請求訴訟提起の前提知識)

残業や休日出勤をしているにもかかわらず,これに対する対価が勤務先から支払われない場合,未払いの賃金を勤務先に請求することが出来ます。

では,ここでいう残業や休日出勤とはどのようなものをいうのでしょうか。

以下,残業や休日出勤について理解するため,その前提となる労働時間の基本的な考え方を説明します。 “労働基準法にいう労働時間は原則として日単位で計算する(未払賃金請求訴訟提起の前提知識)” の続きを読む