交通事故により死亡した被害者の遺族が受領した損害賠償金は相続税の課税対象となるか

かつて別稿にて交通事故被害者が受領した損害賠償金・保険金が原則非課税となる理由について説明をしましたが,本稿では,これを一歩進め,交通事故により死亡した被害者たる被相続人の遺族が,加害者から損害賠償金を受け取った場合,この受領金額が課税対象となるかについて検討したいと思います。

なお,交通事故により被害者たる被相続人が死亡して遺族が損害賠償金を受領する場合としては,①賠償金の支払いを受けてから被相続人が死亡した場合,②支払いを受ける賠償金額が確定したが支払いを受ける前に被相続人が死亡した場合,③支払いや賠償金額が確定する前に被相続人が死亡した場合,の3パターンが考えられますので,それぞれの場合に場合分けして考えていきます。

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幼い子供を100%株主とする会社を設立して相続税を節税する方法

現在,亡くなった方の遺産にかかる相続税の基礎控除額は,3000万円+600万円×法定相続人の数とされていますので(相続税法15条1項),資産家の方のみならず,一般の方に対しても相続税の手が及んでいます。都心に家を持っている方などでは,軒並み相続税の脅威にさらされています。

この相続税賦課に対する防衛手段として,節税スキームがいくつか存在してており,有名なところでは,基礎控除内の贈与の活用であるとか,孫養子などが挙げられます。

本稿では,これらのスキームよりは少し難易度が上がりますが,より効果的なものとして,子供を100%株主とする会社を設立し,その会社を成長させるというスキームを紹介します。 “幼い子供を100%株主とする会社を設立して相続税を節税する方法” の続きを読む

経費支払いの証明に,サラリーマンは領収証が必要で自営業者・経営者はレシートで足りる理由

経費を計上又は清算するために,会計の際になんとなく「領収書ください。」と言っていませんか。

金銭の支払いを公的に証明するものが領収書だと思っていませんか。

そんなことはありません。 “経費支払いの証明に,サラリーマンは領収証が必要で自営業者・経営者はレシートで足りる理由” の続きを読む

先祖代々の資産家が資産を次世代に引き継ぐことができる理由

日本には,先祖代々続く資産家の方が相当数おられます。

日本の相続税は,世界各国と比べて格段に高税率なっており,普通に考えれば,資産家の方が保有する資産の税率(3億円超から6億円以下は50%,6億円超は55%)で相続税を支払えば,三代下ればその財産は国に召し上げられてしまうはずです。

ところが,実際はそうなっておらず,現在においてなお先祖代々の資産家が存在しています。 “先祖代々の資産家が資産を次世代に引き継ぐことができる理由” の続きを読む

個人事業主が交通事故加害者となった場合に被害者に支払った損害賠償金を経費計上できるか

個人事業主の方も,加害交通事故を起こしてしまうこともあります。

では,個人事業主の方が,交通事故を起こした結果,被害者に損害賠償金の支払いをすると,その支払額は個人事業で経費計上できるのでしょうか。 “個人事業主が交通事故加害者となった場合に被害者に支払った損害賠償金を経費計上できるか” の続きを読む

交通事故被害者が受領した損害賠償金・保険金が原則非課税となる理由

交通事故被害者の方が,加害者又は加害車両付保付保保険会社から損害賠償金を受け取った場合,その受け取った金額につき,所得税・住民税等の税金は課されるのでしょうか。 “交通事故被害者が受領した損害賠償金・保険金が原則非課税となる理由” の続きを読む

孫養子での相続税節税とその限界とは

「最高裁で節税目的の養子縁組が認められたので自分も養子を増やして節税したい。」との相談が,最近続けてありました。

要するに,孫を養子にして相続人の頭数を増やして,相続税よ基礎控除額を増やしたいという相談です。

この相談に対する回答は,「養子の数をいたずらに増やしても基礎控除は増えませんので,相続税の節税にはなりません。」なのですが,多くの人が誤った理解をしています。 “孫養子での相続税節税とその限界とは” の続きを読む