給与振込先銀行口座への預金債権差押命令申立ては給与支払日の何日前にすべきか?

振込された給与を狙った預金債権の差押えは,執行裁判所のなす債権差押命令に基づく金銭執行であり(民事執行法143条,145条),差押え→換価→交付・配当という流れで実行されます。

そして,預金債権の差押えは,債権差押命令申立書を裁判所に提出することにより始まり(民事執行法2条,同規則1条),差押えの効力は,差押命令が第三債務者(預金債権差押えの場合は銀行)に送達されたときに生じるとされています(民事執行法145条5項)。

そこで,給与支払日(毎月25日であることが多い)を狙って預金債権を差押えるためには,タイミングを合わせて債権差押命令申立てをしなければなりません。

では,具体的にどのタイミングで申し立てをすればいいのでしょうか。

以下,債権差押命令申立書提出のタイミングと,なぜそのようなタイミングになるのかについて,簡単に説明したいと思います。 “給与振込先銀行口座への預金債権差押命令申立ては給与支払日の何日前にすべきか?” の続きを読む

【投資信託の差押え】債権者が債務者を委託者とする投資信託を換価する方法

債務者が投資信託をしている場合,債務者に対して債権を有する債権者は当該投資信託を差押えて,そこから債権回収をしたいと考えるのが一般的です。

もっとも,法律上,債務者が投資信託をしていたとしても信託財産自体の差押えはできません(信託法23条1項)。

では,どのようにこれを実行化するかというと,投資信託の場合には,債務者(兼受益者)となりますので信託受益権を差押えることとなります。

本稿では,なぜこのような結論となるのかについて簡単に説明した上,実務上問題となる点をいくつか解説していきます。

なお,投資信託受益権の差押えについては,実際には数々の論点があるのですが,本稿は,強制執行手続きに必要な範囲で簡単に説明するため,極力法的論点は割愛し,事実関係も証券会社等が販売する一般的な投資信託に特化して簡潔化した入門編として説明します。そこで,本稿で紹介できなかった点や疑問点は,ご自身で基本書を読まれるか,お近くの弁護士に相談して下さい。 “【投資信託の差押え】債権者が債務者を委託者とする投資信託を換価する方法” の続きを読む

給与債権が差押えられた債務者が行う差押命令取消申立てとは(民事執行法の令和元年改正もふまえて)

誰かに何らかの金銭債務を負担する債務者が,給与債権や退職金請求権を差し押さえられた場合,どうしていいかわからないという方が多いのではないと思います。

払うべきものを払わなかったのが悪いというのはもちろんですが,生活苦からやむなく支払いができなかったという場合もあり得ます。

このような,差押えがなされたことが,直ちに生活苦に直結する債務者であっても,給与債権等の差押えに対してとるべき手段はないのでしょうか。

以下,かかる給与債権等を差し押さえられた債務者がとりうる手段である差押命令の取消申立という制度について,簡単に説明します。 “給与債権が差押えられた債務者が行う差押命令取消申立てとは(民事執行法の令和元年改正もふまえて)” の続きを読む

別れた妻・夫に連れ去られた子の強制執行による引き渡し履行方法とは

未成年者の子がいる夫婦において,不幸にもその夫婦関係が破たんした場合,子の引渡しを巡って紛争が生じることがあり得ます。

親権者・監護権者となった一方の親が,親権・監護権のこうしにたいする妨害排除請求権の履行強制を主張して,他方の親の元にいる子の引き渡しを求める場合などがその典型例です。 “別れた妻・夫に連れ去られた子の強制執行による引き渡し履行方法とは” の続きを読む

建物収去土地明渡認容判決を得た地主がこれを実現するための強制執行手続きの流れ

自分の土地上に建物を所有している人に対し,その建物を収去して出て行ってもらいたいという請求があります。建物収去・土地明渡請求といわれるものです。

では,この建物収去・土地明渡請求が裁判上認容されたにもかかわらず,債務者(建物所有者)が任意にこれを履行してくれない場合,法律上,どのようにこれを実現するのか説明します。 “建物収去土地明渡認容判決を得た地主がこれを実現するための強制執行手続きの流れ” の続きを読む

動産売買先取特権の行使方法とは(商品を売却した取引先が破産・倒産した場合の強制執行方法)

商品を卸していた取引先会社が突然破産した。よくある話です。

この場合,売主からすると,商品を既に納品してしまっているにもかかわらず,代金の回収が難しくなり,非常に困ったことになります。 “動産売買先取特権の行使方法とは(商品を売却した取引先が破産・倒産した場合の強制執行方法)” の続きを読む

子供の養育費を支払わない片親に対してとるべき手段

子供をもうけた男女が,不幸にも分かれて暮らすことになった場合,子供と一緒に暮らすことにならなかった親も,その収入に応じて子供の生活費を負担する義務を負います。法律的に言うと,養育費の負担義務です。

この養育費については,多くの支払い義務者(子供と一緒に暮らせなくなった側の親)は,子供が成人するまでのどこかの段階でその支払いをしなくなります。 “子供の養育費を支払わない片親に対してとるべき手段” の続きを読む