道路に物を置くことの可否(使用・占有許可)と,道路に置かれた物が交通事故発生に寄与した場合の道路使用者・占有者の過失負担の有無・過失割合とは

街中を歩いていると,工事業者などで工事に必要となる車両や資材を道路上に置いて作業をしている現場をよく見かけると思います。

このような道路使用が法律上許されているか疑問を持ったことはありませんか。 “道路に物を置くことの可否(使用・占有許可)と,道路に置かれた物が交通事故発生に寄与した場合の道路使用者・占有者の過失負担の有無・過失割合とは” の続きを読む

交通事故被害に遭った事業所得者・自営業者が申告外所得を主張した場合,休業損害・逸失利益算定の基礎収入にこれを含めることができるのか

交通事故被害に遭われた方の損害填補の1つとして休業損害・逸失利益というものがあります。

この休業損害や死亡・後遺障害逸失利益を算定する場合の基礎収入額は,基本的には,休業期間又は逸失利益算定期間の基礎となる期間を通じて得られる蓋然性のある額をもって決定されます。 “交通事故被害に遭った事業所得者・自営業者が申告外所得を主張した場合,休業損害・逸失利益算定の基礎収入にこれを含めることができるのか” の続きを読む

交通事故被害に遭った際に身に着けていた物(装備品)の損壊は,人的損害・物的損害のどちらと扱われるのか?

交通事故被害に遭った際,身につけていた服,メガネ,補聴器,時計,アクセサリー等も一緒に損傷される場合があります。 “交通事故被害に遭った際に身に着けていた物(装備品)の損壊は,人的損害・物的損害のどちらと扱われるのか?” の続きを読む

【当事者の協議による時効の完成猶予】猶予合意書の無料ダウンロード可能

令和2年(2020年)改正前民法の下では,時効の「中断」と「停止」についての規定を設けていたものの,当事者間における協議はこれに該当せず,当事者間で協議が進んでいる場合であっても,時効完成が近づいてきた場合,時効中断のために調停申立てなどの法的手続きを取らざるを得ませんでした。

この時効完成直前の訴え提起,調停申立て等の法的手続きの強制性を弱めるため,令和2年(2020年)民法改正により,当事者間において,協議を行う旨の書面による合意があった場合に時効の完成を猶予する旨の条文が新設されたため(改正民法151条),令和2年(2020年)4月1日以降に発生した交通事故は,改正民法に従って処理されることとなりました。

そこで,本稿では,交通事故処理に必要となる協議を行う旨の合意による時効の完成猶予制度の概略と,合意を行う際に締結する必要となる書面の参考書式(無料ダウンロード版)を紹介します。 “【当事者の協議による時効の完成猶予】猶予合意書の無料ダウンロード可能” の続きを読む

車両保険で修理代・全損時価額・レッカー代は填補され,休車損害・代車代・評価損はてん補されない理由とは

車両保険とは,衝突その他の偶発な事故によって,被保険自動車に生じた損害に対して,被保険者に保険金を支払う保険です。

もっとも,車両保険では,生じた物的損害の全てが填補されるわけではありません。

交通事故に遭うと,物的損害として,被害車両自体の損傷等から直接生じる車両損害と,車両の損傷等から派生して生じる派生損害とが発生し得ますが,車両保険では,これらの物的損害のうち,どの範囲までてん補されるのか検討しましょう。 “車両保険で修理代・全損時価額・レッカー代は填補され,休車損害・代車代・評価損はてん補されない理由とは” の続きを読む

交通事故で損傷されたナンバープレートの修理費用は請求できず交換費用は請求出来る理由

交通事故被害に遭ってナンバープレートが損傷された場合に,加害者に対して当該ナンバープレートの修理代金を請求したいと考えるのが一般的かと思いますが,これは認められるのでしょうか。

“交通事故で損傷されたナンバープレートの修理費用は請求できず交換費用は請求出来る理由” の続きを読む

高速道路・自動車専用道路における進路変更(車線変更)車両の道路交通法上の注意義務と過失割合について

高速道路上(自動車専用道路を含む)を走行していた車両と,進路変更車両との間で交通事故が発生した場合,その過失割合はどのように決められるのでしょうか。

以下,進路変更車両に,道路交通法上どのような注意義務が課されているかを一般道路での原則と高速道路での修正要素に分けて検討した上で,進路変更車両との間で交通事故が起きた場合の基本的過失割合について説明をします。

“高速道路・自動車専用道路における進路変更(車線変更)車両の道路交通法上の注意義務と過失割合について” の続きを読む

交通事故被害車両の修理をしなくても修理代金相当額を加害者に損害賠償として・保険会社に車両保険として請求できる理由


不幸にも交通事故被害に遭われて車両が損壊された場合,必ずしも,その車両を修理するとは限りません。

新しい車両を購入して事故車両を修理することなく廃車にしたり,損壊が走行に影響がないとしてそのまま乗り続けたりすることがあり得るからです。

では,交通事故被害車両を修理しなかった場合,修理代相当額について,相手方に損害賠償として,又は保険会社に車両保険としてこれを請求できるのでしょうか。 “交通事故被害車両の修理をしなくても修理代金相当額を加害者に損害賠償として・保険会社に車両保険として請求できる理由” の続きを読む

片手傘差し運転自転車が交通事故に遭った場合の過失割合(道路交通法の基本原則と裁判例の紹介)

雨の日に,街なかで片手で傘を差しながら走行している自転車を見かけたことはありませんか。

ビニール傘ならまだしも,布地の傘だと前が見えにくく,とても危険です。また,前が見えていても自転車を片手で操作しているため不安定なため,危険であることに変わりありません。 “片手傘差し運転自転車が交通事故に遭った場合の過失割合(道路交通法の基本原則と裁判例の紹介)” の続きを読む

【自賠基準の休業損害】交通事故被害者が自賠責保険に休業損害を請求する際に知っておきたい基本的事項とは


交通事故被害に遭われてケガをされた方が,通院等のために休業を余儀なくされた場合,被った休業損害について,加害者本人に対しても請求できますが,加害車両に付保されている自賠責保険会社に対してもその請求ができます。

従前,自賠責保険制度と交通事故被害者請求による自賠責保険金の請求方法について説明しましたが,本稿では,その中の1つの論点である,自賠責保険に対する休業損害請求の基本について検討したいと思います。 “【自賠基準の休業損害】交通事故被害者が自賠責保険に休業損害を請求する際に知っておきたい基本的事項とは” の続きを読む