現在では,面積の単位は平方メートル(以下,「㎡」と表記します。)であらわします。
ところが,不動産売買の際に,土地の面積を表す場合には,一般に,坪でその単位を表します。
なぜ,そんなことになっているのか,坪数は具体的にどのように計算して算出するのかについて,以下説明したいと思います。
坪とは?
坪とは,従来日本で使われていた尺貫法による面積の単位で,1辺を6尺(1.818m)とする正方形の面積を意味しています。
1辺が6尺の正方形の面積を1坪としますので,㎡換算すると,1坪=3.305124㎡(1.818m×1.818m)となります。
中途半端な単位で気持ち悪さを感じられるかもしれませんが,日本では,元々,長さについては,尺を基本単位としていたため,元々は何らの不自然性もない単位だったのです。
土地・建物についての面積の単位が,1966年3月31日をもって㎡に統一され,尺という単位が以降の取引や証明に使用することが禁止されたために,公的な証明や取引を坪数計算を用いて行うことはできなくなりました。これに伴い,不動産登記・確認申請をはじめとする役所に対する申請一切は,㎡を単位としてなされることとなっています。
もっとも,尺という単位は,我が国における長年の慣習となっており,また日本人の体形にフィットするサイズでもあることから,いまだに日本の土木・建築業界で広く使われています。
例えば建築用の板のサイズは,サブロク板(3尺×6尺)が基本であり,木造住宅の寸法は,これを基本として設計されています(畳・襖・障子もサブロク板とほぼ同じです。サブロク板が半坪ですので,これと同じサイズの畳2枚が1坪と言われる所以となっています。)。
このことは不動産業界においても同様で,前記のとおり,公的な証明や取引について坪数計算を用いて行うことはできないとされているものの,取引・証明に用いる㎡と併せて,参考値として坪数を併記することは妨げられておらず,いまだに土地の広さを表す単位として坪数計算がなされることが一般的です。
坪数の計算方法(㎡を坪に換算する方法)
では,坪数については,どのように計算するのでしょうか。
前記のとおり,1坪は,3.305124㎡(1.818m×1.818m)なのですが,計算上の便宜から,通常1坪は3.3㎡として説明されることが一般的です。
もっとも,この簡易計算で計算すると,1坪あたり,0.005124㎡ずつ切り捨てられていってします。
そのため,土地の面積を坪数であらわす場合,最初から坪数計算をして行うと誤差が大きくなるため,計算方式としてお勧めできません。
実際には,坪数を計算する場合には,まず㎡で計算して数字をだし,その数字に0.3025(1㎡=1÷3.305124=0.302560509坪)をかけて坪数を出すのが不動産業界の標準とされています。
参考にして下さい。