紙にハンコを押印することの法律上(実体法・手続法)・実務上・慣習上の意味とは

新型コロナウイルスの蔓延により在宅勤務・テレワークが広がっています。

そんな中,紙の決済書類等に押印が必要であるためにやむなく出社しているなどという声もあり,日本のハンコ文化が非効率性の象徴として注目されています。

ペーパレス化を志向しているはずのIT担当大臣が,紙を必要とするハンコ議連の会長であるなどと言った理解に苦しむ人選もまた,話題性を提供しているようです。

日本におけるハンコの文化的位置づけは置いておいて,本稿では,ハンコ・押印の法律的な位置づけについて考えていきたいと思います。 “紙にハンコを押印することの法律上(実体法・手続法)・実務上・慣習上の意味とは” の続きを読む

個人事業主・会社経営者である親族・友人から金を貸してと頼まれたらどうすべきか?

世界中で新型コロナウイルスが蔓延し,その感染防止のため,経済活動の自粛要請が出ています。

これにより,経済活動が縮小し,中小零細企業を中心とする多くの企業・事業者において,急速な資金繰りの悪化が始まっています。

そんな中,経営が苦しくなった個人事業主・会社経営者(以下,「事業主」といいます。)の方が,親しい友人・知人や親族(以下,「友人等」といいます。)に対して,「すぐに返すから」などと言って金策をお願いしている事例が散見されます。

では,金策をお願いされた人は,よく知っている,あるいは信頼している人だからといって安易にお金を貸していいのでしょうか。 “個人事業主・会社経営者である親族・友人から金を貸してと頼まれたらどうすべきか?” の続きを読む

企業の採用面接において学生は面接官の質問に何を答えるべきか(学校教育の有用性と問題点から就職活動を考える)

今年も,就職活動の時期が近づいてきました。

学生の皆様は,気が気でないかもしれません。

これから採用面接に挑もうとする学生に対し,どういう気構えで挑めばいいのかについて,学校教育の有用性・問題点を踏まえ,私見を述べたいと思います。 “企業の採用面接において学生は面接官の質問に何を答えるべきか(学校教育の有用性と問題点から就職活動を考える)” の続きを読む

中小企業の寿命が30年と言わる理由について(カネ・人・ビジネスモデルの陳腐化という3つの問題について)

弁護士業務を行っていると,中小企業の終わりに立ち会うことが多々あります。

また,私も,細々とではありますが会社を経営しておりますので,業務上,中小企業のオーナー社長から事業承継の困難さを聞かされることもあります。

会社の究極の目的は維持・存続といえるのですが,一般に企業の平均寿命は25年程度といわれており,中小企業であれば,この平均寿命を乗り越えて存続するのはかなり大変です。

以下,なぜ,企業(特に中小企業)の平均寿命が25年程度と言われるのかについて検討していきたいと思います。 “中小企業の寿命が30年と言わる理由について(カネ・人・ビジネスモデルの陳腐化という3つの問題について)” の続きを読む

予防法務の観点から見た弁護士活用のすすめ

世の中は紛争があふれかえっています。

大きなものとして国家間の戦争から,小さなものとして個人間の些細な言い争いまで,紛争は多種多様で,あらゆるところに存在しています。

これらの紛争のうち,個人間(自然人に限らず法人も含みます)の紛争・トラブルについて,その解決を仕事とするのが弁護士です。 “予防法務の観点から見た弁護士活用のすすめ” の続きを読む

エステサロンを開業するのに行政への届出・許可申請も特別な国家資格も必要ありません

自分の美的センスを生かせる仕事をしたい。独立をして,自分の思い通りの仕事がしたい。そんな想いを持って,エステサロンを開業したいと考えられる方も多いのではないでしょうか。 “エステサロンを開業するのに行政への届出・許可申請も特別な国家資格も必要ありません” の続きを読む

会社を永続させるためには社長が元気なうちに経営権を次世代に経営権を引き継がせなければならない

会社の究極的な目的は,存続し続けることです。つぶれてなくならないことです。

会社がつぶれてしまえば,その名はもちろん,その会社が持っている技術・ノウハウが消えてしまい,結果として社会的価値を失ってしまうからです。

以前,会社をつぶさないために,従業員や経営者が何をするべきかについての私見を述べましたが,本稿では,会社をつぶさないために,いつ事業承継をすべきか・経営権を引き継ぐべきかについて考えてみたいと思います。 “会社を永続させるためには社長が元気なうちに経営権を次世代に経営権を引き継がせなければならない” の続きを読む

社長が業務に口を出し続ける会社は成長しない。企業におけるトップとナンバー2以下の従業員の仕事の違い

会社を設立して,一代で大きくした創業者社長は,通常,社内の誰よりも仕事に精通しています。そのため,この社長は,会社内の誰よりも業務に詳しく,誰よりも会社に貢献できる人といえます。

もっとも,このような社長が,会社の各種実務に永きに亘って携わり続けると会社は成長できなくなります。 “社長が業務に口を出し続ける会社は成長しない。企業におけるトップとナンバー2以下の従業員の仕事の違い” の続きを読む

人を雇用して育てていくは難しい(弁護士がイソ弁を雇うのをためらう理由を例に)

弁護士が独立をして弁護士事務所を開設する場合,通常は事務員さんを雇うことになります。事務作業をやってくれる人のがいないとすぐに仕事が処理できなくなるからです。

また,弁護士事務所の経営が軌道に乗ってくると,イソ弁(居候弁護士のことで,「いそ」うろう「弁」護士を略して,イソ弁と言っています。)の雇用を検討することになります。1人の弁護士ではマンパワーに限界があり,徐々に仕事が回って行かなくなるからです。 “人を雇用して育てていくは難しい(弁護士がイソ弁を雇うのをためらう理由を例に)” の続きを読む