キラキラネーム・DQNネームを改名したい場合の法的手続きとは(家庭裁判所への名の変更許可申請と市区町村役場への届け出が必要である理由)

名前に使える漢字は,常用漢字・人名用漢字の範囲内という制限がありますが(戸籍法50条,同施行規則60条),読み方には制限がありません。

名前の読み方を規制する法律がないからです。

そこで,子供が産まれた際,親権者は,前記制限の範囲内で漢字(ひらがな・カタカナも可)を選択し,そこに自由な読み方を付することが出来ます。

このことがメディアを通じて世間に周知された結果,一時的に大流行したのが,本稿のテーマである読めない名前=キラキラネームです。

キラキラネームの弊害

元々,子の名前の選択には,前記の制限の範囲で決定することが出来,昔から当該漢字の読み方とは異なった当て字で呼び名を付することはままありました。例としては「淳子→あつこ」と呼ばせるようなものです。

近年では,これがさらに進み,マスコミ等で特集等が組まれるようになった1990年代半ばころから,カタカナ名に音を当てはめたような当て字の名前が見られるようになり,その後,2000年代になるとこれが急増し始めました。

何らかの漢字を用いて,およそあり得なさそうなアニメキャラクターなどの読み方をさせたりしても,難解・卑猥・使用の著しい不便・特定(識別)の困難・社会通念に照らして明白に不適当な名・一般の常識から著しく逸脱したと思われる名でない限り,親権者による選択が否定されることはありません。

テレビや一部雑誌において特集がされ,このような当て字の名前について「キラキラネーム」という呼び名が定着するにまで至っています。

ところが,キラキラネームが浸透していくにしたがって,これをつけるのは親の学力の低さを示している,親の人的未成熟性を示すものであり,そのような親に育てられる子供の成長が慮られるというようないわれのない非難が出てくるようになりました。

また,一見して読み方の想像ができないために,病院等における救急処置の際に問題が生じえたり,行政手続等の各種手続きに相当の不都合が生じえたりするなど,人を特定するための固有名詞としての役割を果たしていないなどといった批判が出るようになりました。

以上のようなマイナスイメージが出てきた結果,キラキラネームとされる名前を持つ子が,学校でいじめの対象となったり,就職の際に面接官等から否定的にみられるなどの不利益が現実化するようになりました。

そのため,キラキラネームブームも陰りを見せ始め,2018年頃からは,キラキラネームを含めた読みにくい名前は避けられている傾向があるようです。

キラキラネームの改名手続き

少なくなったとはいえ現在もなお命名されていること,またかつてのブームの際に名づけられたキラキラネームによって,前記の各種不利益を被る人たちが散見されています。

弁護士の下にも,キラキラネームをいわゆる普通の名前に変更したいと希望する相談が届いています。

では,一度つけられたキラキラネームは,変更できるのでしょうか。

結論を言うと,変更でき得ます。

戸籍上の名を変更するためには,名の変更を希望する者が,名の変更手続きを家庭裁判所に許可申立をして(15歳未満のときは,その法定代理人が代理します。)許可を得て,これをもって市区町村に届け出る必要があります

戸籍法107条の2
正当な事由によって名を変更しようとする者は,家庭裁判所の許可を得て,その旨を届け出なければならない。

この点,名の変更を許可するためには,正当な事由が必要とされているところ,ここでいう正当な事由とは,名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいい,単なる個人的趣味,感情,信仰上の希望等のみでは足りないとされています。

そのため,実際には,キラキラネームによって被った不利益を裁判所にうまく伝えられるかが許可の有無を左右します。

15歳以上であれば,自分で名の変更手続をとることが出来ますので,近年では,キラキラネームの弊害を経験してきた世代が,自ら改名を試みることが増えてきました。

余談

なお,余談ですが,キラキラネームといっても,漢字を変えるのではなく,単にその読み方を変えるだけであれば,裁判所の許可なく変更可能です。

冒頭の写真を参考にしていただきたいのですが,戸籍自体には名前の読み方が登録され散るわけではありませんので,登録名の変更とはならないため,市区町村役場の窓口で,名の読み方変更申請をするだけで足ります。

参考にしてください。


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