ゴルファー保険付帯のホールインワン保険・アルバトロス保険の支払要件(セルフプレーの場合には保険金の支払いがなされないのが原則)

我が国でも,ゴルフは人気があるスポーツです。

色々なところにゴルフ場があり,老若男女を問わず相当数の競技人口がいます。

このゴルフというスポーツは,道具を使って球を打つというその性質上,他人に一定の損害を及ぼす可能性があります。

また,紳士のスポーツとされてるため,その道具が高級品であったり,他のスポーツにはない特殊な慣習が存在したりします。

そのため,ゴルフをプレーすると,様々な金銭的トラブルが発生し得ます。

ゴルファー保険とは

このゴルフをプレーする上での金銭的トラブルを回避するため,様々な保険会社において,ゴルフのプレー中または練習中の金銭的トラブルを対象とする保険が発売されています。

ゴルファー保険と言われるものです。

一般的に,ゴルファー保険は,他人に対する賠償責任補償,ゴルファー自身のケガに対する傷害補償,ゴルフ用品の盗難・ゴルフクラブの破損に対するゴルフ用品補償,ホールインワンやアルバトロスの場合の費用補償がセットとなった複合保険となっています。

ゴルファー保険のうち,賠償責任補償・傷害補償・用品補償は,その支払要件が明確ですので,それほど問題とならないのですが,ホールインワン・アルバトロス費用補償は,そう簡単にはいきません。

ホールインワン・アルバトロス費用補償は,その支払要件の厳格さから,保険金請求時に,保険契約者であるゴルファーと保険会社とで揉めることが多い類型なのです。

そこで,本稿では,この紛争が多発するホールインワン・アルバトロス費用補償について検討したいとお思います。

ホールインワン・アルバトロス達成時の費用負担について

ホールインワンやアルバトロスは,生涯で一度経験できるかいなかの極めて珍しい幸運な出来事と言われており,その達成者はものすごい幸運を手にしたとされています。

この点,日本では,ホールインワン・アルバトロスの達成者は,ものすごい幸運を手にした反動で,不幸が訪れるのを防止するため,お祝いと厄除をかねて,体験した幸運を周囲にお裾分けしなければならないという変わった慣習があります。

詳しいことは知りませんが,これは日本独自の慣習だそうです。

この幸運のお裾分けは,お祝い会開催・ご祝儀・記念樹などを行うのが一般的で,費用の目安としては,こじんまりとしたプレー状況であった場合は30万円位,大きなコンペとかの場合は100万円位に上ります。

そのため,ホールインワン・アルバトロスについては,達成することが嬉しい反面,それに伴って負担しなければならない費用を考えると,手放しで喜ぶわけにもいけないものとなっています。

このホールインワン・アルバトロス達成時に要する費用を,補償してくれる保険が,ゴルファー保険に付帯されているホールインワン・アルバトロス費用補償です。

ホールインワン・アルバトロス保険金の支払要件

ところが,このホールインワン・アルバトロス費用補償に基づいて保険金を支払ってもらうためには,客観的な立証を要するという厳しい要件が存在しています。

無条件にホールインワン・アルバトロス費用補償保険金の支払いがなされるとすると,保険金を不正受給しようとする輩が出てくるからです。

この客観性については,キャディーさんが一緒に回っているときは,キャディーさんが立証してくれますのでそれほど問題とならないのですが,キャディーさんが一緒でないセルフプレーの場合にはかなり難しい話となります。

セルフプレーの場合には,ホールインワン・アルバトロスがあったことを客観的な立場で証言してくれる人が同行していないために,ホールインワン・アルバトロスがあったことを立証できないからです。

その結果,キャディーさんが同行していないセルフプレーの場合には,ゴルフ場職員や出入業者が偶然これを目撃していた場合や,ティーショットからカップインまでの動画撮影がなされているなど極めて例外的な場合でなければ,ホールインワン・アルバトロス費用補償保険金が支払われないとするのが原則となってしまっているのです。

おわりに

以上のとおり,セルフプレーの場合には,原則として,ホールインワン・アルバトロス費用補償保険金は支払われないこととなり,例外的にホールインワン・アルバトロス達成という1次的幸運に加えて,偶然にも立証資料が存在するとうい2次的幸運までもがそろった場合に限って同保険金が支払われる扱いとなっています。

以上のとおり,ホールインワン・アルバトロス費用補償保険金の支払要件は,それほど緩やかではありませんので,紛争防止の観点から,これを達成したからと言って,独断でお祝い会を開いたり周囲にご祝儀を渡したりせずに,まずは保険会社に確認していただくことから始めていただければと思います。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です