【交通事故による後遺障害】大腸の機能障害

交通事故によって大腸に機能障害を残る場合があります。
交通事故によって大腸に機能障害が生じた場合,損害賠償上はどのように扱われるのでしょうか。

以下,大腸とは何か,大腸の機能障害についての後遺障害等級の順についてみていきましょう。

大腸とは

大腸は,消化器である消化管の一部を構成する器官であり,盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸で構成されます。もっとも,自賠責後遺障害等級認定上は,肛門管も含まれます。

大腸の基本的機能は,水分の吸収と排便です。

盲腸及び結腸を亡失すると軽度の下痢を起こし,直腸を障害されると排便障害が生じます。

大腸の機能障害

便秘を残すもの

便秘とは排便が順調に行われなくなり,便が大腸内に長時間にわたって滞留する状態をいいます。

高度の便秘になると,自然排便ができなくなることもあり,この場合には用手摘便を要することになります。

排便反射を支配する神経の損傷がMRI・CTなどによって確認され,排便回数が週に2回以下の頻度で,恒常的に硬便である場合に以下のとおりの等級認定がなされます。なお,便秘を原因とする頭痛・悪心・嘔吐・腹痛などの症状は,便秘の障害に含まれます。

①用手摘便を要すると認められるもの:別表第二9級11号

②便秘を残すもので前記①に該当しないもの:別表第二11級10号

便失禁を残すもの

便失禁は,肛門括約筋の働きが障害されることにより生じるものであり,完全便失禁は肛門括約筋の機能全部喪失により生じます。

①完全便失禁を残すもの:別表第二7級5号

②常時おむつの装着が必要なもので前記①に該当しないもの:別表第二9級11号

③常時おむつの装着は必要ないものの明らかに便失禁があると認められるもの:別表第二11級10号

大腸の機能障害についての後遺障害等級まとめ

便秘便失禁
7級5号完全便失禁を残すもの
9級11号用手摘便を要すると認められるもの常時おむつの装着が必要なもので7級5号に該当しないもの
11級10号便秘を残すもので9級11号に該当しないもの常時おむつの装着は必要ないものの明らかに便失禁があると認められるもの

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