自動車等が店舗・事務所に突っ込んでくる交通事故に遭った場合の営業損害の扱い

交通事故は,自動車,二輪車,自転車,歩行者の間のみで発生するわけではありません。

場合によっては,自動車等が,店舗や自宅に突っ込んでくることもあり得ます。
では,自動車が突っ込んできたことにより発生した交通事故によって店舗・事務所等が損傷した場合,これらを修理をするために営業を休止する場合のその修理期間中に営業できなかったことによる損害はどのように扱われるでしょうか。

営業損害

自動車等が店舗・事務所に突っ込んでくる交通事故に遭った場合,店舗や事務所の修理をするために営業を休止すると,当然に当該事業者の売上げが減少します。

そこで,かかる事業者が被った営業損害については,当然に加害者がその賠償義務を負います。

もっとも,売上げ減額が必ずしも交通事故が原因であると言い切れない場合もありますので,営業休止期間の認定や休止期間における損害額については,一定の厳格な証明が求められるのが通常です。

実務的には,事故前3か月間の平均利益を基礎に,修理に必要な相当期間についての損害を算定することが多いといえます(売上げ填補ではなく,利益の填補です。)。

以下の裁判例を参考にしてみてください。

営業損害認定事例裁判例

飲食店の場合

① 大阪地判昭59年3月15日・交民集17巻2号391頁

飲食店の壁が車の衝突により損傷した事案で,事故前3か月の平均利益を基礎として7日間分の営業損害を認めました。

駐車場精算機の場合

① 東京地判平成29年1月18日・自保ジャーナル1995号178頁

駐車場精算機による営業損害と因果関係のある休業損害を73日と認定しました。

洗車機の場合

① 大阪地判平11年7月7日・交民集32巻4号1091頁

車の接触により洗車機が破損した事案で、事故前3か月の使用料金から1日当たりの売上を算出した上で、14日間分の営業損害を認めました。

補足

① 大阪地判平成10年9月28日・自保ジャーナル1306号3頁

喫茶店にダンプカーが突っ込んできたために店舗が損壊した事案で,店舗の修復を終え,営業再開にあたって生じた宣伝広告費20万円の認定をしています。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です