自転車交通事故の過失割合について,裁判例ではママチャリとロードバイクで違いがでるか?

道路交通法上,自転車は軽車両として扱われますので,自転車の通行区分は車両のそれに従います。
もっとも,自転車は軽車両であるが故に,一般車両とは異なった扱いを受けることとなり,歩行者との関係では強者として扱われ,他方四輪車・単車との関係では弱者として扱われるのが原則です。

そのため,自転車が交通事故に遭った場合,その過失割合については,通常,歩行者との関係では不利に,四輪車・単車との関係では有利に認定されます。

もっとも,自転車といっても,最近ではいわゆるママチャリだけでなく,ロードバイクも多く見受けられ,このロードバイクについて,一律にママチャリと同様に単なる自転車として扱うべきなのかが問題となります。

ロードバイクの特殊性

ママチャリとロードバイクは,動力が人力という点や運転免許を必要としない点で,同じく自転車であることに違いがないのですが,その構造上,出る速度が全く異なります。

ロードバイクは,慣れた人が乗れば,簡単に単車に匹敵する速度が出てしまいますので,ロードバイクとママチャリとでは,道路走行時の危険度が全く異なります。

そこで,一般的に,ロードバイクを運転する者については,ママチャリを運転する者よりも高度な注意義務が必要とされると考えられており,相手方が四輪車又は単車の場合では,ロードバイクが交通事故に遭った場合と,ママチャリが交通事故に遭った場合とでは,異なる扱いがなされるのが一般的です。

高速度自転車の過失割合

もっとも,ロードバイクもママチャリも法的には自転車ですので,ロードバイクであるからママチャリだからという点のみで区別することはできません。

そこで,実務上・裁判例上では,自転車の構造ではなく,自転車の運転速度で差をつけることにしています。

この点,相手方が四輪車・単車の場合の自転車の交通事故については,かつては別冊判例タイムズの「四輪車・単車と自転車との事故」類型をもとに,自転車がロードバイク等で高速度運転(原付の制限速度である時速30kmが目安)をしていた場合には,自転車に重過失ありとして不利益修正をして過失認定をするのが一般的でした。

もっとも,今日では,高速度運転をする自転車に,原則論として有利に扱う理由に乏しいとして,相手方が四輪車・単車と自転車との交通事故については,自転車がロードバイク等で高速度をしていた場合には,「四輪車と単車との事故」類型をもとに過失認定をするとされています(別冊判例タイムズN o.38・389頁)。

参考にして下さい。



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