面会交流は一方の親と離れて暮らすことになった子供の心情に配慮するのが基本的ルール(場所・頻度・内容等を決める際に顧みて欲しい)

子供がいる男女が,訳あって一緒に生活が出来なくなった場合,通常は一方の親(母親の場合が多いと思います。)が,子供の親権・監護権を引き受けます。

この場合,他方の親は,一緒に生活していませんので,子供と会うためには,別途日程を調整した上で会う必要があります。

この子供と一緒に住んでいない親が子供と会うことを,法律的には「面会交流」と言います。

精神的に成熟過程にある子供にとっては,情操教育上,「両親」に愛されていると感じて生活していくことは極めて大事なことですので,子供と一緒に暮らせなくなった親も,面会交流を通じて積極的に子供の成長に関わっていく必要があるのです。

 

本稿では,法律論の話とは少し話がズレますが,面会交流に挑む親と送り出す親の双方が,子供にどう接するのが望ましいと考えられるかについて考えていきたいと思います。



第1 一方の親と離れて暮らすことになった子供の心理状態と必要なケアについて

男女関係が上手くいかなくなり,やむなく別居・離婚に至った場合,当然の話ですが,当事者である夫婦にとっては,その理由は明らかです。

ところが,子供にとってはそうではありません。

年齢や性別によっても異なりますが,両親の夫婦関係が何となく上手くいっていないことを肌で感じていたとしても,人生経験の少なく,男女の機微を理解していない子供にとっては,両親がなぜ一緒に住めなくなるのかについての本質的な理解をすることができません。

 

そのため,理由が理解できない子供としては,場合によっては,両親の別居は,両親の問題であるにもかかわらず,自分が賢くしてなかったからと自分を責める場合さえあります。

そこで,訳あって一緒に住めなくなった親は,いずれもが子供に対して,一緒に住めなくなった原因は子供側ではなく親側にあること,いずれもが子供を愛していることを,言葉と態度できちんと伝え,その心理的ケアをしていくことが重要となります。

ここで重要なのは,いずれの親もがという点です。

子供と一緒に暮らすことになった親も,子供と別れて暮らすことになった親も,どちらもという意味です。

そこで,以下,子供と一緒に暮らすことになった親が,子供を面会交流に送り出す際の注意点と,子供と別れて暮らすことになった親が子供と面会交流に挑む際の注意点について考えていきたいと思います。

 

第2 面会交流に子供を送り出す親の注意点

まずは,子供と一緒に暮らし,子供を面会交流に送り出す立場の親の注意点を述べます。

子供は,男女の機微を理解できてはいませんが,空気感については敏感にこれを感じとっています。

子供と一緒に住んでいる側の親からすると,他方の親(別れた相手)に子供を会わせることは,必ずしも気分がいいものではありません。

そのため,面会交流について消極的に考えおられる方も多いのですが,子供と一緒に住んでいる側の親が,面会交流に消極的だと,子供も気後れし,また面会交流に後ろめたさを感じてしまいます。

そこで,子供と一緒に暮らす側の親としては,子供が安心して面会交流に挑めるように,まずは快く送り出してあげることが大切です。

 

また,面会交流から帰ってきた後も,快く迎え,面会の内容を詳しく詮索したりしないよう心がけてもらうことが大切です。

子供と一緒に暮らしていない親は,面会交流は非日常事項ですので,場合によっては,子供の歓心を買うために高価なプレゼントをしたりすることもあり得ますが,その場合も受け取った子供を責めずに,親同士で,話し合っていただきたいと思います。

 

さらに,面会交流がなされていない間も,相手方に対する悪口は控えていただかなければなりません。

相手方に対する文句を子供に伝えててもほぼ間違いなく子供は理解出来ず,困惑するだけです。スッキリするのは親だけです。

子供にとっては一緒に住んでいる親も,別れて暮らしている親も,どちらも大事な親だということを忘れてはいけません。

 

第3 面会交流に挑む親の注意点

次に,子供と一緒に暮らしていないために,面会交流に挑む立場の親の注意点を述べます。

まず,面会交流は,その究極的目的が子供の情操教育にありますので,子供と離れて暮らす親の権利である反面,義務でもあります。

そのため,一旦決めた面会交流については日数・時間についても誠実に履行する必要があります。

これをおろそかにしていると,子供が,親の愛情を感じれなくなってしまうからです。

 

また,面会交流の場は,子供に配慮し,子供との信頼関係を維持構築できるよう,子供の成長に合わせた場所・内容で進めていく必要があります。

子供の歓心を買うためだけに,安易な約束をしたり,高価なプレゼントで気を引くことは控えなければなりません。

当然,相手方(別れた相手・もう一方の親)の悪口も控えます。

 

第4 まとめ

簡単ではありましたが,以上が,面会交流に挑む親と送り出す親の双方注意点でした。

両親の別居は,子供にとっては晴天の霹靂の出来事です。その理由すらわかっていないことも多いのです。

面会交流は,そんな子供との間の感情の架け橋です。

両親にとっても,気持ち整理をつけることは難しいのかもしれませんが,男女の問題と,親子の問題とを分けて考えていただき,子供の成長の観点から最善を尽くしていただくことが重要です。

両親の別居によって,子供に加わる心理的負担が,少しでも少なくなればいいと願っています。



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