交通事故被害車両の修理をしなくても修理代金相当額を加害者に損害賠償として・保険会社に車両保険として請求できる理由


不幸にも交通事故被害に遭われて車両が損壊された場合,必ずしも,その車両を修理するとは限りません。

新しい車両を購入して事故車両を修理することなく廃車にしたり,損壊が走行に影響がないとしてそのまま乗り続けたりすることがあり得るからです。

では,交通事故被害車両を修理しなかった場合,修理代相当額について,相手方に損害賠償として,又は保険会社に車両保険としてこれを請求できるのでしょうか。

未修理車両の修理代請求の可否

相手方に対する損害賠償請求について


交通事故被害車両の修理代を,加害者に請求できる根拠は,不法行為に基づく損害賠償請求権です(民法709条)。

この民法709条では,損害填補を先行させたことを請求要件としていません。

そこで,交通事故被害車両を修理しなくても,修理代相当額を加害者に請求することができます。

交通事故によって車両が損壊された瞬間に,その所有者に損失が発生していますので,当然の帰結です。

裁判例上も,基本的には同様に解釈されています(大阪地判平成10年2月24日・自動車保険ジャーナル1261号2頁等)。

保険会社に対する車両保険請求について

この理は,車両保険でも同様です。

交通事故被害車両の修理代を,車両保険として保険会社に請求できる根拠は,保険会社と保険契約者との契約です(具体的には,保険約款に従います。)。

車両保険約款でも,損害填補を先行させたことを請求要件としていません。

そこで,交通事故被害車両を修理しなくても,修理代相当額を保険会社に車両保険として請求することができます。

未修理車両の修理代相当額


以上のとおり,請求ができるという結論については交通事故被害車両の修理の有無によって変わりはないのですが,請求できる金額は,修理の有無によって少しだけ変わります。

修理をした又はする場合は,修理代にはいわゆる修理代(部品代及び技術料)に加えて消費税の請求ができますが,修理をしない場合には,いわゆる修理代相当額のみ請求ができ,消費税相当額の請求ができないからです。

修理をしない場合には,被害者に修理工場に対する消費税支払義務が発生しないため,修理をしない場合にこれを修理代相当額として認めてしまうと被害者に利益となってしまうため,損害賠償ではなくなってしまうことがその理由です。

参考にして下さい。

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