会社経営は「ドラゴンボールのヤムチャ」の立ち位置が理想的

国民的アニメであるドラゴンボール。中年の週刊少年ジャンプ世代の方のみならず,多くの方がご存知の超有名アニメ(漫画)です。

そのドラゴンボールのキャラクターであるヤムチャが再注目を浴びているようです。

ドラゴンボールでは,かませ犬キャラとして定着してしまったヤムチャですが,会社を経営していく上では,その生き方は大いに参考になります。

それどころか,私は,会社経営は,ヤムチャを目指すべきだと考えています。

ドラゴンボールでのヤムチャのポジション

ヤムチャは,ドラゴンボールの第1巻から登場するキャラクターです。

当初は,主人公である孫悟空のライバル的存在として,それなりの立ち位置にいました。

ところが,孫悟空がどんどん修行に励んで強くなる一方で,楽な道を選んだヤムチャは,ほとんど強くなりません(もっとも,ただの地球人にすぎないヤムチャが,同じ努力をしたとしても,主人公や敵キャラのようなモンスターキャラと対等に張り合っていけたかについては強い疑問があります。)。

そのため,ヤムチャは,どんどん強くなっていく主人公の孫悟空から置いてきぼりをくらい,その後はやられキャラの道を爆走していきます。

天下一武道会でも,1回戦で負け続け,相手方の引き立て役に成り下がります。

その後,さすがのヤムチャもこれではだめだと一念発起し,仲間と共に修行をするものの,モブキャラの栽培マンの自爆に巻き込まれて死亡するという悲惨な経験をします。

さらには,魔人ブウにチョコレートにされて食べられてしまったりもしています。

以上の経緯を見る限り,相手方を引き立てる役割しか与えられていないヤムチャは,一見,物語上は必要のない無駄なキャラクターのように見えます。

もっとも,ヤムチャが,ドラゴンボールの作中から消えることはありません。

キャラクター人気投票をした場合に,必ず上位に顔を出してくるからです。

ヤムチャの,やられキャラ感,かませ犬キャラ感が,とても人間臭く,読者が,自分を重ね合わせて感情移入をしやすいキャラクターとして出来上がってしまったため,作中から削除することができなくなってしまったのです。

主人公の孫悟空やその他の主要キャラクターと比べて,比較とならない弱さのため,戦闘での活躍が期待できないにもかかわらず,作中から消えないのです。

それどころか,読者の心をとらえたヤムチャは,作中では大した活躍をしていないにもかかわらず,スピンオフ作品を出してもらえたり,個別のキャラクター商品を作ってもらえるほどの特別待遇を得るに至っています。

このヤムチャの立ち位置は,マーケット上における会社の立ち位置としてみると理想的です。

ヤムチャの立ち位置を会社経営に置き換える

ドラゴンボールのヤムチャを株式会社ヤムチャ,主人公や主要敵キャラを巨大会社,ドラゴンボールのストーリーをマーケットとして見てみましょう。

株式会社ヤムチャは,会社として設立され,他の多くの会社と共に,資本主義の巨大マーケットに漕ぎ出し,経営を始めます。

当初は,同業他社と悪戦苦闘しながら,会社を何とか軌道に乗せます。

その後,同業他社が,多額の設備投資やM&Aを行って,どんどん巨大化して行く(巨大会社となる。)一方で,現状に甘んじて拡大路線をとらない株式会社ヤムチャはそれほど売り上げが上がりません。

また,画期的な商品投入をすることもできず,マーケット上にて大した話題にのぼることもありません。

同業他社を見て,これではだめだと一念発起し,ようやく多額の設備投資をして新商品を開発するも,すでに成功を収めている同業他社の牙城を崩すことができずに,投下資金の回収ができずに倒産の危機に瀕します。

また,その後も何度も経営危機が訪れます。

ところが,株式会社ヤムチャの商品・サービスは,特別品質が良かったり,特別価格が安かったりするわけではないにもかかわらず,常に一部のコアなファンの支持を集めるため,株式会社ヤムチャは,どれだけ景気が低迷しようと,一定数の売り上げを上げることができます。

そのため,株式会社ヤムチャは,細く長くではあるものの,地味にマーケットに残り続け,だんだんとその名前がブランド化していき,いつしかマーケットにおいてなくてはならない会社となっていきます。

理想的です。

補足

設備投資やM&Aを繰り返して,アマゾンやソフトバンクのような業界トップのモンスター会社(ドラゴンボールでいう,孫悟空や,その他強力な敵キャラ)にすることができれば経営者冥利に尽きるのでしょうが,誰もかれもがそのようなことができるわけではありません。

そうではなく,その業界において,1番手や2番手を目指すのではなく(又は目指しながら),少ない投資額で,長く愛される会社として経営を続け,ブランド力を勝ち取り,安定経営を続ける株式会社ヤムチャになる。これも,1つの経営者としての立ち位置だと思います。

私は,私の経営する会社は,株式会社ヤムチャでありたいと考えています。

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