ミニカーとは(原付と同じ排気量50ccなのに道路交通法上普通自動車とされる青ナンバー登録車両)

排気量50ccの原付免許で乗れるにもかかわらず,道路交通法上普通自動車として扱われるため,原付の法規制を回避して普通自動車としての機能を有するミニカー。

最近は,某キャラクターのコスプレをして公道上をカートで疾走する外国人の集団をよくみまけますが,あのカートも実はミニカーです。

本稿では,そんなミニカーの法律上の位置づけについて,原付の法規制と対比しながら検討していきたいと思います。

 

第1 原動機付自転車の扱い

ミニカーの道路交通法上の位置づけを検討するため,まずはその対比対象となる原動機付自転車の道路交通法上の位置づけを説明します。

1 道路交通法上の原動機付自転車の定義

道路交通法上,原動機付自転車とは,以下のいずれかに該当する,原動機を有するレール又は架線によらないで運転する車をいいます(自転車・身体障害者用の車いす・歩行補助車等は除く。)。なお,前記要件を満たしている限り,2輪・3輪・4輪のいずれでも原動機付自転車に当てはまります。

①総排気量50cc(定格出力0.60kW)以下の二輪の車

②車室を備えず,かつ輪距(2以上の輪距を有する車にあっては、その輪距の内、最大のもの)が0.50m以下である三輪以上の車及び側面が構造上解放されている車室を備え,かつ軸距が0.50以下である総排気量50cc(定格出力0.60kW)以下の三輪の車

③またはこれら以外で総排気量20cc(定格出力0.25kW)以下の四輪以上の車

道路交通法2条1項10号
原動機付自転車とは内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車等以外のものをいう。

道路交通法施行規則1条の2
 道路交通法第二条第一項第十号 の内閣府令で定める大きさは、二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあつては、総排気量については〇・〇五〇リツトル、定格出力については〇・六〇キロワツトとし、その他のものにあつては、総排気量については〇・〇二〇リツトル、定格出力については〇・二五キロワツトとする。

平成2年12月総理府告示第48号-改正
 「内閣総理大臣が指定する三輪以上のもの」とは、車室を備えず、かつ、輪距(2以上の輪距を有する車にあっては、その輪距の内、最大のもの)が0.50メートル以下である三輪以上の車及び側面が構造上解放されている車室を備え、かつ、軸距が0.50メートル以下である三輪の車のことをいう。

なお,道路運送車両法上は,二輪車については総排気量125cc(定格出力1.00kW)以下のもの,それ以外の車両については総排気量50cc(定格出力0.60kW)以下のものを原動機付自転車としており,同法上は,道路交通法上の原動機付自転車に加えてミニカーも原動機付自転車に含まれます。

2 原動機付自転車の道路走行時の交通規制

道路交通法上の原動機付自転車とされる場合,以下の法規制に服することになります。

①運転免許は原付免許(道路交通法85条)

②法定速度は時速30km(道路交通法22条,道路交通法施行令11条)

③二段階右折(道路交通法34条5項)

④走行時のヘルメット着用義務(道路交通法71条の4第2項)

 

第2 ミニカーの扱い

1 道路交通法上のミニカーについて

車両が,道路交通法2条1項10号に定める原動機付自転車の領域外の車両とされる場合には,その車両は原動機付自転車とは判断されず,道路交通法上は普通「自動車」として扱われます。

ミニカーとされる場合には,市役所にてミニカー登録をする必要があり,ミニカー登録がなされれば,水色のナンバープレートが公布されます。

2 ミニカーとされた場合の法規制

(1)原動機付自転車と相違する法規制

道路交通法上ミニカーとされる場合には,道路交通法上原動機付自転車に適用される法規制の適用はなく,普通自動車の法規制に服することとなります。

適用される法規制の主たるものは以下のとおりです。

①運転免許は普通自動車免許(道路交通法85条)

②制限速度は時速60km(道路交通法施行令22条,道路交通法施行令11条)

③二段階右折不要

④走行時のヘルメット着用不要

(2)原動機付自転車と同様の法規制

ミニカーは,道路交通法上は普通自動車ですが,道路運送車両法上は原動機付自転車ですので,道路運送車両法を前提とする法規制については自動車となりませんので,その限りにおいては原動機付自転車と同じ法規制に服することになります。

①高速道路・自動車専用道を走行できない

道路法及び高速自動車国道法にいう「自動車」とは,道路運送車両法にいう自動車を意味するため(道路法2条・5節,高速自動車国道法2条)。

②シートベルトの設置義務や車検はない

道路運送車両法にいう「自動車」ではないため,シートベルトの設置義務や車検はない(道路運送車両の保安基準)。

③車庫証明は不要

自動車の保管場所の確保に関する法律にいう「自動車」も,道路運送車両法にいう自動車を意味するため(自動車の保管場所の確保に関する法律2条)。

 

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