誰もが憧れるお金持ちという響き。
お金持ちの定義は人それぞれで,収入が多い人をいう場合もあれば,資産をたくさん持っている人をいう場合もあります。さらに言えば,豪邸に住んでいたり高級車に乗っていたりというメディアに取り上げられるような消費傾向が強い人をいう場合さえもあります。
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お金持ちとは
もっとも,私のお金持ちの定義は,上記のいずれでもありません。
私が思うお金持ちとは,お金の心配をしなくてもいい人,すなわち,働かなくても食べていける人です。ロバート・キヨサキ風にいうと,ラットレースから脱出した人です。
誰もがお金持ちになりたいと思うでしょう。
ところが,ほとんどの人は,そうなりたいと思っていても,自分には無理だと思っています。
しかし,無理ではありません。やろうとしないだけです。
お金持ちになるには,絶対的な方法があります。それを1つ1つこなしていけば誰でもお金持ちになれます。
繰り返しますが,多くの人がお金持ちになれないのは,単にやろうとしないからです。
お金持ちになる手順
一時的に大金を得る方法はいくらでもありますが,特別な才能を有しない私のような一般人が,前記の定義のお金持ちになる方法は,以下の手順を経るほかはありません。
① 労働収入を得て種銭を貯める ② 種銭を投資・運用して不労所得を得る ③ 得た不労所得を再投資・再運用にてさらなる不労所得を得る ④ ①~③を繰り返す
非常に簡単な方法ですが,多くの人は出来ません。
なぜか?
多くの人は,自身の労働対価として得た収入を,消費せずに投資に回すことに耐えられないからです。
人間には欲望がありますので,お金が入れば,いいところに住みたい,いいものを食べたいと思うのは当然です。
ただ,この欲を制御できなければお金持ちにはなれません。
本多静六翁もこの理を説いています。アメリカ富裕層研究の第一人者であるスタンリー博士とダンコ博士も同じことを言っています。
お金持ちになりたければ,消費していいお金は(絶対的に支出が必要な生活費は除きます。),投資・運用で得た不労所得のみです。これ以外の労働所得を消費すればお金持ちにはなれません。その他の労働所得は,全て投資に回す気概が必要です。
これを実践すると,労働所得を自由に使えないというつらい期間を経なければなりませんので,ほとんどの人が我慢できないのです。
富裕層が超富裕層になるのはそれほど難しくないが,庶民が富裕層になるのはとても難しいと言われている理由がここにあります。
このことをわかりやすく比喩的に説明した映画の有名な一場面があります。
伊丹十三監督の「マルサの女」で,国税査察対象者である山崎努さん演じる権藤が,国税局査察部統括官である津川雅彦さん演じる花村から,どうしたらお金がたまるか聞かれた際に答えたセリフです。
「せっかくだから教えてあげるよ。金貯めようと思ったらね、花村さん。 (中略) あんた、今、ポタポタ落ちてくる水の下にコップを置いて、水、貯めてるとするわね。あんた、喉が渇いたからってまだ半分しか溜まっていないのに飲んじゃうだろ? これ、最低だね。 なみなみいっぱいになるのを待って…それでも飲んじゃだめだよ。 いっぱいになって…溢れて…垂れてくるやつ…(ペロッと)これを舐めて。我慢するの。そうすりゃコップいっぱいの水は…」
言うまでもなく,蛇口から出てくる水が,労働収入による種銭で,それを受けるコップとその中の水が,種銭を基に投資・運用している資産そのもので,コップから垂れてくる水が,不労所得です。株式投資を例にいうと,コップの水が,給料をためて購入した株式で,垂れてくる水が株式配当です。
不労所得が発生するまでにお金を使っては,お金持ちになれないという戒めです。
お金を使っていい時期はいつか
自分を律するつらく厳しい期間を経て,資産形成が進んできますと,その資産から得られる不労所得が,爆発的に増えてきます。再投資による複利効果で資産が増加するからです。
かの有名な科学者であるアインシュタインに,「数学上の最大の発明は複利である。」とまで言わしめた,複利効果です。
この段になってくれば,もはや節約に意識をめぐらせなくても大丈夫です。以降に生活に困ることは考えられないからです。
そのため,不労所得が生活費を超えた段階で,働くことすら不要になります。
増加していく不労所得の額に応じて,生活の質を上げていっても問題は生じません。
この域に達した人がお金持ちといえるのです。
おわりに
以上いろいろ述べてきましたが,要は,お金持ちになりたければ,使っていいお金は,資産から生み出される不労所得のみであり,不労所得を生み出す資産を使ってしまってはいけないということです。
騙されたと思って,一度試してみてください。