交通事故損害賠償実務上,[症状固定](医学上一般に承認された治療方法をもってしても,その効果が期待しえない状態であることを前提に,自然的経過によって到達すると認められる最終の状態)の時に残存する障害を,後遺障害としています。
その認定要件は,以下の4つを満たすことを条件として,その程度に応じて等級認定がなされます。
①受傷と障害との間に相当因果関係があること
②将来において回復困難と見込まれる障害であること
③障害の存在が医学的に認められること
④労働能力・日常生活機能の喪失・低下を伴うこと
後遺障害の分類(系列及び序列)
後遺障害は,身体を解剖学的観点から10の部位に分け,かつそれぞれの部位についての障害を機能面に重点を置きつつ生理学的観点から35の障害群に分類した上で,その障害の部位と程度に応じて,後遺障害等級認定がなされます。
そこで,以下,交通事故損害賠償における後遺障害等級について,その系列・部位・障害の別(器質的障害か機能的障害か)に分けて分類し,各詳細についてリンク先ページを参照できるよう整理します。
眼の後遺障害(系列番号1~6)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
眼球(両眼) | - | 視力障害 | |
- | 調節機能障害 | ||
- | 運動機能障害 | ||
- | 視野障害 | ||
眼瞼(まぶた) | 右 | まぶた・まつ毛の欠損障害 | まぶたの運動障害 |
左 | 右と同じ | 右と同じ |
耳の後遺障害(系列番号7~9)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
内耳等(両耳) | - | 聴力障害 | |
耳殻(耳介) | 右 | 欠損障害 | - |
左 | 右と同じ | - |
鼻の後遺障害(系列番号10)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
鼻 | 欠損障害 | 機能障害 |
口の後遺障害(系列番号11~12)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
口 | - | 咀嚼・言語機能障害 | |
歯牙 | 歯牙欠損 | - |
神経系統の機能又は精神の後遺障害(系列番号13)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
神経系統の機能 又は精神 | 高次脳機能障害 頭痛 末梢神経障害 | 非器質的精神障害 特殊疼痛 |
頭部・顔面部・頚部の後遺障害(系列番号14)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
頭部・顔面部・頚部 | 外貌醜状障害 | - |
胸腹部臓器(外生殖器を含む)の後遺障害(系列番号15)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | |
器質的障害 | 機能的障害 | |
呼吸器 | 気管・気管支・肺 | |
循環器 | 心臓の器質的障害 | 心臓の機能的障害 |
消化器 | 食道 胃 腹壁瘢痕ヘルニア | 小腸の機能障害 |
泌尿器 | 尿管・膀胱・尿道 | |
生殖器 | ||
その他 | 日常露出しない部位の醜状障害 |
体幹骨の後遺障害(系列番号16~17)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
脊柱 | 脊柱の変形障害 | 運動障害 | |
その他体幹骨 | その他体幹骨の変形障害 | - |
上肢の後遺障害(系列番号18~25)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
上肢 | 右 | 欠損障害 | |
変形障害 | - | ||
醜状障害 | - | ||
左 | 右と同じ | 右と同じ | |
手指 | 右 | 欠損障害 | 機能障害 |
左 | 右と同じ | 右と同じ |
下肢の後遺障害(系列番号26~35)
解剖学的区分 | 生理学的区分 | ||
器質的障害 | 機能的障害 | ||
下肢 | 右 | 欠損障害 | 運動制限 |
変形障害(大腿骨又は下腿骨) | - | ||
短縮障害・過成長 | - | ||
醜状障害 | - | ||
左 | 右と同じ | 右と同じ | |
足指 | 右 | 欠損障害 | 機能障害 |
左 | 右と同じ | 右と同じ |
障害の併合
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