2月29日生まれの人が4年に1度しか年を取らないというのは誤り(法律豆知識)

4年に1度ある閏年の2月29日に生まれた人は,4年に1度しか年を取らないと思いますか。

直感的にはそのような気がしないでもないですが,仮に4年に1度しか年を取らない人が出来てしまうと法律上大問題が生じます。

そのため,当然ですが,法律上は2月29日生まれた人の年齢についても調整がなされており,同日生まれの人も毎年年を取るように定められています。

以下,2月29日生まれの人が毎年年を取る理由について説明します。 “2月29日生まれの人が4年に1度しか年を取らないというのは誤り(法律豆知識)” の続きを読む

【使用貸借契約の終了原因】タダで貸した物を返してもらえるのはいつなのか

他人に物を無償で貸し付ける契約を使用貸借契約といいます(民法593条~)。

貸借の対価としてお金が発生する賃貸借契約と比べると特定の人的関係間で締結されることが多く,家族間や友人間で多用される契約形態です。

特に,不動産を有する方が死亡した場合に,1人の相続人が被相続人の有していた不動産に住み続ける場合(父【夫】が死亡した場合に,その妻と子が共同で自宅を相続するものの,妻【母】がそれまで通り自宅に住み続ける場合)などが典型例です。

もっとも,使用貸借契約当事者の関係が険悪になった場合,使用貸借契約の契約解約について問題となることが散見されます。

そこで,本稿では,このような場合に問題となりうる使用貸借契約の終了原因について説明したいと思います。 “【使用貸借契約の終了原因】タダで貸した物を返してもらえるのはいつなのか” の続きを読む

弁済供託をするための3つの供託原因とは

債務者が負担する何らかの債務を消滅させるためには,債権者に対して当該債務を弁済する必要があります。

ところが,何らかの事由によって債務者が債務を弁済できない事態が発生し得ます。

この場合に,債務者を当該債務から解放し,債務を弁済したこととするという手続きがあります。弁済供託です。

有効な弁済供託がされると供託時にその当該債務が消滅します(民法494条)。

もっとも,どんな債務でも簡単に弁済供託ができるわけではなく,弁済供託をするためには法律に定められた供託原因が必要です。

以下,この弁済供託の要件となる3つの供託原因について説明します。 “弁済供託をするための3つの供託原因とは” の続きを読む

落とし物を拾ったらどうすべきか?(管理者がいる場所といない場所での処理が違い)

外で落とし物を拾ったらどうすると思いますか。

何となく警察に届けないといけないと考えているが詳しいことはわからないというのがほとんどの人の認識ではないかと思います。

実は,管理者がいる施設と,その他の場所では,物を拾った後の手続きが違います。

そこで,本稿では,管理者がいない場所,管理者がいる施設内の順に落とし物を拾ったらどうすべきかについて検討したいと思います。 “落とし物を拾ったらどうすべきか?(管理者がいる場所といない場所での処理が違い)” の続きを読む

地震で倒壊した他人所有の建物の下敷きになって人的・物的被害を被った場合に建物所有者に対して損害賠償請求ができるか

ご存じの通り,日本は地震大国です。

毎年,大きな地震がどこかで発生していると言っても過言ではありません。

日本にはまだまだ木造家屋も多く存在しており,地震による大きなエネルギーが加わると,家屋が倒壊し,その中にいる人がけが・死亡してしまったり,中においてある物が壊れてしまったりすることがあり得ます。

では,地震によって倒壊した建物により,人的・物的被害を被った被害者は,倒壊した建物所有者に対して,被った損害の賠償請求ができるのでしょうか。 “地震で倒壊した他人所有の建物の下敷きになって人的・物的被害を被った場合に建物所有者に対して損害賠償請求ができるか” の続きを読む

年齢の数え方を満年齢方式とする法律上の根拠とは(数え年との違いも)

皆様は,年齢の数え方について考えてみたことはありますか。

「数え年」,「満年齢」などという言葉は聞かれたことがあると思いますが,法律上の年齢の考え方をご存知の方は少ないと思われます。

そこで,以下,法律上の年齢の考え方について検討してみたいと思います。

“年齢の数え方を満年齢方式とする法律上の根拠とは(数え年との違いも)” の続きを読む

医療過誤訴訟の困難性(医療過誤・医療ミスを主張して弁護士に委任をする前に知っておきたい前提事実と事件の流れ)

病院に入通院していたにもかかわらず,自身・親族の病状が悪化した,親族が死亡したなどの場合はやるせないですよね。

特に,何らかの特異的事象が生じた場合には,なぜ自分が,なぜ愛する家族がこんな目にあうのかという悲しみから,その矛先が医師・医療機関に向かうこともあります。

この様な場合に,医療ミスがあったと主張して患者側から医療機関の責任追及を求めることがなされるのがいわゆる医療過誤事件です。

“医療過誤訴訟の困難性(医療過誤・医療ミスを主張して弁護士に委任をする前に知っておきたい前提事実と事件の流れ)” の続きを読む

ハロウィンコスプレの法律上の問題点とは(著作権から刑事罰や損害賠償まで)

いつの間にか日本でもハロウィンが認知され,なぜかコスプレイベントの様相を呈しているようです。

その結果,ハロウィン前の土日・当日には,東京では渋谷,大阪ではUSJ等に多くの若者がコスプレ衣装を着て群がって来るという報道を目にするようになりました。

ハロウィンのコスプレイベント化については賛否両論あるみたいですが,法律家としては,このコスプレ衣装を着た集団は,法的グレーゾーンをスキップで渡っているように見えてしまいます。

以下,ハロウィンコスプレの何が法的に問題となるのか検討してみましょう。 “ハロウィンコスプレの法律上の問題点とは(著作権から刑事罰や損害賠償まで)” の続きを読む

確定日付とは(必要な理由や取り方をわかりやすく解説します)

「確定日付」を知っていますか?

法律的にいうと,私文書の作成日(実際には存在日)につき法律上完全な証拠力を認める押印のことです。

簡単にいうと,作成された書面が,確実にその日に存在した(その日までに作成された)ことを証明するハンコです。

以下,確定日付がなぜ必要となる場合があるのか,どのようなものが確定日付となるのか,確定日付はどのように取得するのかの順に簡単に説明しましょう。 “確定日付とは(必要な理由や取り方をわかりやすく解説します)” の続きを読む

乗客の乗っていないタクシーに手を挙げても止まってもらえずスルーされることがある法律上の理由

タクシーに乗ろうと思って,乗客の乗っていないタクシーに向かって手を挙げても,止まることなく通り過ぎられてしまった経験はありませんか?

回送表示や運転手に気が付かれなかった場合はまだしも,空車の表示だったり,運転手と明らかに目があったりした場合でもスルーされてしまうことがよくあります。

急いでいるときなどは,焦りを超えて,怒りさえ感じることもあります。

なぜ,このようなことが起こるのでしょうか。 “乗客の乗っていないタクシーに手を挙げても止まってもらえずスルーされることがある法律上の理由” の続きを読む