幼い子供を100%株主とする会社を設立して相続税を節税する方法

現在,亡くなった方の遺産にかかる相続税の基礎控除額は,3000万円+600万円×法定相続人の数とされていますので(相続税法15条1項),資産家の方のみならず,一般の方に対しても相続税の手が及んでいます。都心に家を持っている方などでは,軒並み相続税の脅威にさらされています。

この相続税賦課に対する防衛手段として,節税スキームがいくつか存在してており,有名なところでは,基礎控除内の贈与の活用であるとか,孫養子などが挙げられます。

本稿では,これらのスキームよりは少し難易度が上がりますが,より効果的なものとして,子供を100%株主とする会社を設立し,その会社を成長させるというスキームを紹介します。 “幼い子供を100%株主とする会社を設立して相続税を節税する方法” の続きを読む

刑事手続きにおける検証とは(五官の作用によって対象物を確認し証拠化する手続き概略)

刑事手続きにおける「検証」という手続きをご存知ですか。

テレビドラマやマスコミ報道などでよく,捜査機関による現場検証という単語を聞くと思いますが,この現場検証も,いわゆる検証の1つです。

本稿では,なんとなく知っているようでよく知らない検証手続きについて,簡単に解説したいと思います。 “刑事手続きにおける検証とは(五官の作用によって対象物を確認し証拠化する手続き概略)” の続きを読む

捜索・差押え(ガサ入れ)の基礎。法律上の根拠や令状・許可状発布要件について

「捜索」・「差押え」という言葉を聞いたことがありますか?

テレビドラマなどで,警察官が,突然とある場所に踏み込んでいって,家探しした後,証拠品を段ボールに詰めて持ち去ってしまうという場面を見たことがあると思いますが,その手続きが捜索・差押えです。 “捜索・差押え(ガサ入れ)の基礎。法律上の根拠や令状・許可状発布要件について” の続きを読む

予防法務の観点から見た弁護士活用のすすめ

世の中は紛争があふれかえっています。

大きなものとして国家間の戦争から,小さなものとして個人間の些細な言い争いまで,紛争は多種多様で,あらゆるところに存在しています。

これらの紛争のうち,個人間(自然人に限らず法人も含みます)の紛争・トラブルについて,その解決を仕事とするのが弁護士です。 “予防法務の観点から見た弁護士活用のすすめ” の続きを読む

ネット上に溢れる法律に関する記事について有益情報とゴミ情報とに分別する最も簡単な方法

今日では,誰でも簡単にインターネット上に文章・写真・動画等がアップできるようになりました。

その結果,法律に関する情報も,その他の情報と同じく,記事やブログを通じてインターネットに溢れるようになっています。 “ネット上に溢れる法律に関する記事について有益情報とゴミ情報とに分別する最も簡単な方法” の続きを読む

近親者固有の慰謝料請求権について(交通事故被害者の親族は被害者本人の損害とは別に自身の精神的損害の賠償請求ができるか)

交通事故に起因する損害賠償は,被害者が被った損害の賠償を加害者に対して請求するものですので,原則として,請求権者は損害を被った被害者本人に限定されるはずです(民法709条参照)。

もっとも,交通事故によってその被害者が死亡したり重度の後遺障害を負ったりした場合には,交通事故被害者本人のみならずその家族・親族も大きな精神的苦痛を被ることが容易に想像ができます。

そこで,法は,この被害者の親族自身が被る精神的損害についても一定の填補を得ることができるとしています。いわゆる近親者固有の慰謝料です。 “近親者固有の慰謝料請求権について(交通事故被害者の親族は被害者本人の損害とは別に自身の精神的損害の賠償請求ができるか)” の続きを読む

できちゃった結婚・授かり婚をした夫婦から産まれた子供の法律上の父親は誰か?

できちゃった結婚(できちゃった婚・授かり婚・でき婚)は,出産と結婚という二重のおめでたい出来事です。

ところが,日本では,いまだに「結婚→妊娠→出産」が正道であるというイメージが強く,未だに良くないイメージを持たれたりすることもあります。

このイメージはおいておいて,本稿では,できちゃった結婚の法的問題点,具体的には産まれてくる子の法律上の父親の立場について考えていこうと思います。 “できちゃった結婚・授かり婚をした夫婦から産まれた子供の法律上の父親は誰か?” の続きを読む

乗客の乗っていないタクシーに手を挙げても止まってもらえずスルーされることがある法律上の理由

タクシーに乗ろうと思って,乗客の乗っていないタクシーに向かって手を挙げても,止まることなく通り過ぎられてしまった経験はありませんか?

回送表示や運転手に気が付かれなかった場合はまだしも,空車の表示だったり,運転手と明らかに目があったりした場合でもスルーされてしまうことがよくあります。

急いでいるときなどは,焦りを超えて,怒りさえ感じることもあります。

なぜ,このようなことが起こるのでしょうか。 “乗客の乗っていないタクシーに手を挙げても止まってもらえずスルーされることがある法律上の理由” の続きを読む

労働基準法にいう労働時間は原則として日単位で計算する(未払賃金請求訴訟提起の前提知識)

残業や休日出勤をしているにもかかわらず,これに対する対価が勤務先から支払われない場合,未払いの賃金を勤務先に請求することが出来ます。

では,ここでいう残業や休日出勤とはどのようなものをいうのでしょうか。

以下,残業や休日出勤について理解するため,その前提となる労働時間の基本的な考え方を説明します。 “労働基準法にいう労働時間は原則として日単位で計算する(未払賃金請求訴訟提起の前提知識)” の続きを読む

キラキラネーム・DQNネームの改名手続き

名前に使える漢字は,常用漢字・人名用漢字の範囲内という制限がありますが(戸籍法50条,同施行規則60条),読み方には制限がありません。

名前の読み方を規制する法律がないからです。

そこで,子供が産まれた際,親権者は,前記制限の範囲内で漢字(ひらがな・カタカナも可)を選択し,そこに自由な読み方を付することが出来ます。

このことがメディアを通じて世間に周知された結果,一時的に大流行したのが,本稿のテーマである読めない名前=キラキラネームです。 “キラキラネーム・DQNネームの改名手続き” の続きを読む