経費支払いの証明に,サラリーマンは領収証が必要で自営業者・経営者はレシートで足りる理由

経費を計上又は清算するために,会計の際になんとなく「領収書ください。」と言っていませんか。

金銭の支払いを公的に証明するものが領収書だと思っていませんか。

そんなことはありません。

レシートでも,金銭の支払いを証明するのに十分です。

多くの方が,領収書を要求されるのは,別の理由によります。

そして,その理由については,サラリーマンと自営業者・経営者では異なります。

 

第1 サラリーマンは経費精算するために領収書が必要

サラリーマンが領収書を必要とするのは,立て替えて支払った会社の経費を精算して,勤務先会社からその返金を受けるためです。

すなわち,サラリーマンは,支払った金額を,勤務先会社に認めてもらって返金を受けるために領収書が必要となるのです。

 

この点,多くの会社では,経費の精算の規定を置いており,多くの場合,そこで清算のための細かな規定を定めるとともに,領収書を要求しています。,なぜか多くの会社では,経費の精算は領収書で行うと定めていることが多いため,サラリーンマンは,レシートではなく,会社の様式にのっとった領収書が必要となるのです。

なお,サラリーマンが必要とする領収書は,勤務先会社が経費規定等で定めた形式のものである必要があり,宛先(通常は,当該会社名でもらう必要が多いと思います。),費目(会議費・交際費・消耗品費等)についても,会社の定めに従って作ってもらわなければなりません。

 

第2 自営業者又は経営者は経費計上するために領収書等が必要

自営業者又は経営者が領収書を必要とするのは,その領収書に記載された支払額を経費計上し,所得減少させて,税金をするなくするためです。

すなわち,自営業者又は経営者は,支払った金額を,経費として税務署に認めてもらうために領収書等が必要となるのです。

 

そのため,自営業や経営者が必要とする領収書等は,金銭支払いを証明できるものであればよく,あて先が「上様」であろうと,手書きのものであろうと問題がなく,そもそも金銭の支払いが証明できればレシートでも十分であり,領収書である必要すらありません。

税務上問題となるのは,支出の内容であり,支払いをした際にもらった書面の表題ではありません。そのため,税務上,レシートがだめで,領収書だったらいいという結論にはなりません。

そもそも,領収書は,合計金額が記載されているだけでその内訳が記載されていないのに対して,レシートは,合計金額のみならずその内訳の記載がなされているため,税務署に対する証明力という意味では,むしろレシートの方が,領収書に勝っています。

 

もっとも,自営業者・経営者の中には,レシートよりも手書きの領収書を好む方もおられます。

その理由の主たるものは,レシートは感熱紙タイプのものが多く,経年劣化で文字が消えてしまうため,税務上要求される期間の保存に耐えられないということや,レシートだと内訳が記載されてしまい,逆に不都合な事実がばれて使えなくなるのを避けるため,あえてレシートではなく,領収書を選択することなどが挙げられます。

 

第3 補足

余談ですが,最近は少なくなりましたが,かつては発行者名のみ記載された,宛先・発効日・金額が白紙の領収書を受け取ることが多くありました。

発行者からすれば,白紙の領収証を出すことによって,顧客に使いやすいように使ってもらうとのサービスの一環として発行していたようです。

 

もっとも,法的に見ると,宛先・発効日・金額が白紙であっても,当該領収書はあくまでも発行者作成文書であることから,受け取った者が勝手に宛先・発効日・金額等を記載すると私文書変造の罪に問われることがありえますので,気を付けましょう。

間違っても,消えるボールペンで記載し,保存期間が満了した後,これを消して内容を書き直して再利用するなどといった行為をしてはいけません。


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