被害届とは,犯罪被害者が,捜査機関に対して犯罪事実を申告するために提出されるものです(告訴とは異なり,犯人の訴追を求める意思表示は含まれていません。)。

被害届は,刑事訴訟法に規定されたものではなく,そのために,被害届により捜査機関に対して何らかの義務が生じさせるものではありません。

そのため,被害届は,私人による任意の書面(警察官が聴取して書面化することもあります。)に過ぎず,被害届が提出されたとしても,捜査機関が捜査を開始するかどうかについては,捜査機関の判断によるとされています。