
本稿を書いている時点では,大都市を中心として日本中で新型コロナウイルスが蔓延しています。
そのため,政府,地方自治体から非常事態宣言・自粛要請が出され,日本各地で,対象となる業種での営業停止・縮小が相次いでいます。
では,このような新型コロナウイルスをはじめとする伝染病の蔓延により従業員が休業するに至った場合,当該従業員の給与はどうなるのかについて,以下,場合分けして検討します。 “伝染病蔓延の影響で休業に至った労働者の賃金減額の有無について” の続きを読む
弁護士業・社長業における実務上の気づきあれこれ

本稿を書いている時点では,大都市を中心として日本中で新型コロナウイルスが蔓延しています。
そのため,政府,地方自治体から非常事態宣言・自粛要請が出され,日本各地で,対象となる業種での営業停止・縮小が相次いでいます。
では,このような新型コロナウイルスをはじめとする伝染病の蔓延により従業員が休業するに至った場合,当該従業員の給与はどうなるのかについて,以下,場合分けして検討します。 “伝染病蔓延の影響で休業に至った労働者の賃金減額の有無について” の続きを読む

誰かに何らかの金銭債務を負担する債務者が,給与債権や退職金請求権を差し押さえられた場合,どうしていいかわからないという方が多いのではないと思います。
払うべきものを払わなかったのが悪いというのはもちろんですが,生活苦からやむなく支払いができなかったという場合もあり得ます。
このような,差押えがなされたことが,直ちに生活苦に直結する債務者であっても,給与債権等の差押えに対してとるべき手段はないのでしょうか。
以下,かかる給与債権等を差し押さえられた債務者がとりうる手段である差押命令の取消申立という制度について,簡単に説明します。 “給与債権が差押えられた債務者が行う差押命令取消申立てとは(民事執行法の令和元年改正もふまえて)” の続きを読む

交通事故損賠賠償実務に従事していると,頻繁に,自動車を運転して前を走行する車両に追走していた際,前の車両の荷台から落ちてきた物とぶつかったとして,保有車両のフロントガラスやボンネットが損傷したとの主張がなされます。
いわゆる飛び石被害というものです。
もっとも,この類型の飛び石被害事故を主張した場合,ほとんどの自動車保険会社(加害者側の保険会社【対物保険】のみならず,被害者側の保険会社【車両保険】も)は,前を走行する車両からの飛び石被害はあり得ないとして,保険使用を否認します。
そこで,本稿では,自動車保険会社が行う,前を走行する車両の荷台からの落下物が後続車両に衝突する可能性がないとの見解をとる理由について説明したいと思います。

代理人として民事訴訟を担当すると,結構な頻度で,相手方から,何らかの事実の確認を求められたり,何らかの証拠の提出を求められたりします。
また,他方当事者から質問がなされた場合に,多くの裁判官は,相手方がこういう質問をしているので回答をお願いしますなどと言ってきます。
実務上,当たり前のように繰り返されるやり取りですが,法律的にみると結構問題です。
どういうことか説明します。

法律上駐車が禁止される場所に特別に車両を駐車させることができる制度として駐車許可があることはよく知られています。
もっとも,駐車許可は,全ての駐車禁止場所の効力を解除する訳ではなく,駐車許可を得ても駐車禁止が解除されない場所があります。
先に結論から言うと,駐車許可は,「指定駐車禁止場所」及び「周囲の構造物に起因する法定駐車禁止場所」の駐車禁止を解除し得ますが,「道路構造に起因する法定駐車禁止場所」の駐車禁止は解除できません。
以下,どういうことか説明します。
“駐車許可証の効力とは?所轄警察署長の許可によってどこの駐車禁止が解除され得るのか” の続きを読む

民法の債権関係の規定の全般的な見直しを目的とする民法の一部を改正する法律が,令和2年4月1日から施行されます。
同改正によって民法所定の法定利率が変更されます(改正民法404条)。
この民法所定の法定利率の変更によって,交通事故損害賠償請求事件についても,大きな変化が生じることとなります。具体的には,遅延損害金と中間利息控除です。
損害賠償額を大きく左右する大変革です。
以下,実務上の扱いの変化について説明します。 “交通事故損害賠償請求事件における遅延損害金率と中間利息控除率は令和2年4月1日を境に大きく変わります” の続きを読む

交通事故に遭った場合,警察を呼んだ上で,現場で事故処理をしてもらわなければなりません。この義務は,交通事故加害者のみならず被害者にも課されています。
そのため,被害者であっても,その後に警察署に赴いて調書作成をしたり,現場に呼ばれて実況見分に立ち会ったりする必要が生じることがあり得ます。
これらの事故処理については,当然に時間を必要としますし,また移動等のために費用が発生する場合もあります。
交通事故被害者は,この交通事故処理手続きに要した費用を,加害者に請求できるのでしょうか。

オービス(自動速度取締装置)が設置されている道路では,その直前に,「自動速度取締機設置区間」などという看板が設置され,車両運転車にその先にオービスが設置されていることが分かるようになっています。
速度違反を取り締まるためには,事前に取り締まりがある旨を明らかにしていれば意味がないのではないかと疑問に思いませんか。
ところが,法律上は,この告知看板には重大な意味があります。
どういうことか,以下説明します。 “オービスの手前に速度取締機設置という告知看板が掲示されている理由とは” の続きを読む

保釈という制度を知っていますか。
ニュースで頻繁に出てくる言葉ですので,何となく身柄拘束されている人が判決前に仮に釈放されることみたいな漠然としたイメージがあるのではないかと思います。
本稿ではそんな保釈という制度の概略について,弁護士の立場から,できるだけ分かりやすく説明したいと思います。

今年も,就職活動の時期が近づいてきました。
学生の皆様は,気が気でないかもしれません。
これから採用面接に挑もうとする学生に対し,どういう気構えで挑めばいいのかについて,学校教育の有用性・問題点を踏まえ,私見を述べたいと思います。 “企業の採用面接において学生は面接官の質問に何を答えるべきか(学校教育の有用性と問題点から就職活動を考える)” の続きを読む