外で落とし物を拾ったらどうすると思いますか。
何となく警察に届けないといけないと考えているが詳しいことはわからないというのがほとんどの人の認識ではないかと思います。
実は,管理者がいる施設と,その他の場所では,物を拾った後の手続きが違います。
そこで,本稿では,管理者がいない場所,管理者がいる施設内の順に落とし物を拾ったらどうすべきかについて検討したいと思います。
【目次(タップ可)】
管理者がいない場所(道路等)で拾った場合
拾得者の義務と警察署長等の措置
管理者がいない場所で物を拾った場合,落とした本人に直接返すか又は警察署長に提出する必要があります(遺失物法4条1項)。
届け出を受けた警察署長は,拾得者に対し書面を交付し(遺失物法5条)た後,遺失者が判明している場合には,当該落とし物を遺失者に返還します(遺失物法6条)。
他方,遺失者が判明していない場合には,警察署長は,遺失者を特定するために警察署内に広告します(遺失物法7条)。
警察署長は,提出を受けた遺失物について,遺失者返還するほか,場合により,売却(遺失物法9条),処分(遺失物法10条)することもあります。
費用及び報労金
管理者がいない場所での遺失物について,遺失者が落とし物の返還を受けた場合,拾得者は,1か月内に,要した費用と当該遺失物の価格の5%~20%の報労金を遺失者に請求することができます(遺失物法28条1項,遺失物法29条)。
管理者がいる場所(お店等)で拾った場合
拾得者の義務と警察署長等の措置
管理者がいる場所で物を拾った場合,施設占有者に交付する必要があります(遺失物法4条2項)。その上で,施設占有者が,落とした本人に直接返すか警察署長に提出することになります(遺失物法13条1項)。
費用及び報労金
管理者がいる施設内での遺失物について,遺失者が落とし物の返還を受けた場合,拾得者と施設占有者は,1か月内に,要した費用と当該遺失物の価格の5%~20%の報労金の各2分の1を遺失者に請求することができます(遺失物法28条2項,遺失物法29条)。
補足(落とし物をされた方へ)
以上のとおり,落とし物をした場合,管理者がいる場所であろうと,管理者がいない場所であろうと直接の返還を受けられない場合には,遺失物は一旦警察に提出されることとなります。
そこで,落とし物をしたと気が付いた場合には,最寄りの警察署又は交番等で届出をしてください。届け出は,日本国内のどこの警察署・交番等で行っても結構です。
届け出をした落とし物が発見されたら警察・遺失物センターから連絡がありますが,発見されないことも多く,また発見まで時間がかかることもありますので,落とし物がキャッシュカードやクレジットカード・携帯電話等の貴重品の場合には悪用されないようにカードの発行元や携帯電話会社などへ連絡しておくことが重要です。
参考にしてください。