近親者固有の慰謝料請求権について(交通事故被害者の親族は被害者本人の損害とは別に自身の精神的損害の賠償請求ができるか)

交通事故に起因する損害賠償は,被害者が被った損害の賠償を加害者に対して請求するものですので,原則として,請求権者は損害を被った被害者本人に限定されるはずです(民法709条参照)。

もっとも,交通事故によってその被害者が死亡したり重度の後遺障害を負ったりした場合には,交通事故被害者本人のみならずその家族・親族も大きな精神的苦痛を被ることが容易に想像ができます。

そこで,法は,この被害者の親族自身が被る精神的損害についても一定の填補を得ることができるとしています。いわゆる近親者固有の慰謝料です。 “近親者固有の慰謝料請求権について(交通事故被害者の親族は被害者本人の損害とは別に自身の精神的損害の賠償請求ができるか)” の続きを読む

年金受給無職者が交通事故被害に遭って後遺障害を負った又は死亡した場合,損害賠償額積算にあたり年金収入額を基礎収入に算入することはできるのか

高齢等の理由によって職に就くことなく年金受給額のみで生活されている方が交通事故被害に遭って後遺障害を負った場合又は死亡した場合,同人の損害賠償額積算にあたり年金収入額を基礎収入に算入することはできるのでしょうか。

交通事故被害者に後遺障害が残ったり,同被害者が死亡したりする場合には,損害賠償額が高額になることが多く,強く争われることが多い論点ですが,結論的には,後遺障害逸失利益の場合と死亡逸失利益との場合ではその結論に違いがあります。 “年金受給無職者が交通事故被害に遭って後遺障害を負った又は死亡した場合,損害賠償額積算にあたり年金収入額を基礎収入に算入することはできるのか” の続きを読む

交通事故被害に遭った事業所得者・自営業者が申告外所得を主張した場合,休業損害・逸失利益算定の基礎収入にこれを含めることができるのか

交通事故被害に遭われた方の損害填補の1つとして休業損害・逸失利益というものがあります。

この休業損害や死亡・後遺障害逸失利益を算定する場合の基礎収入額は,基本的には,休業期間又は逸失利益算定期間の基礎となる期間を通じて得られる蓋然性のある額をもって決定されます。 “交通事故被害に遭った事業所得者・自営業者が申告外所得を主張した場合,休業損害・逸失利益算定の基礎収入にこれを含めることができるのか” の続きを読む

交通事故被害に遭った際に身に着けていた物(装備品)の損壊は,人的損害・物的損害のどちらと扱われるのか?

交通事故被害に遭った際,身につけていた服,メガネ,補聴器,時計,アクセサリー等も一緒に損傷される場合があります。 “交通事故被害に遭った際に身に着けていた物(装備品)の損壊は,人的損害・物的損害のどちらと扱われるのか?” の続きを読む

【自賠基準の休業損害】交通事故被害者が自賠責保険に休業損害を請求する際に知っておきたい基本的事項とは


交通事故被害に遭われてケガをされた方が,通院等のために休業を余儀なくされた場合,被った休業損害について,加害者本人に対しても請求できますが,加害車両に付保されている自賠責保険会社に対してもその請求ができます。

本稿では,前記のうち,自賠責保険に対する休業損害請求の基本について検討したいと思います。 “【自賠基準の休業損害】交通事故被害者が自賠責保険に休業損害を請求する際に知っておきたい基本的事項とは” の続きを読む

法人又は団体の役員が交通事故被害者となった場合の休業損害の考え方(損害賠償上の基本原則と自賠責保険における小規模法人の特例について)

法人又は団体役員の方が交通事故被害に遭われて休業した場合,休業損害の請求ができるのでしょうか。

一般的には,社長は休んでも役員報酬がもらえるのではないかという疑問があるため,休業損害の有無,休業損害額計算の前提となる基礎収入額の特定が問題となります。 “法人又は団体の役員が交通事故被害者となった場合の休業損害の考え方(損害賠償上の基本原則と自賠責保険における小規模法人の特例について)” の続きを読む

交通事故加害者は治療費を含む自身の人身損害を全額負担しなければならないのか?保険対応がなされ得るのか?

交通事故加害事故を起こしてしまった場合,被害者だけでなく,加害者自身もケガをする場合があります。

交通事故被害者であれば加害者に対して損害賠償請求をして,その填補を受けることができるのは当然ですが,加害者は自身が被った損害は全額負担しなければならないのでしょうか。 “交通事故加害者は治療費を含む自身の人身損害を全額負担しなければならないのか?保険対応がなされ得るのか?” の続きを読む

交通事故における症状固定の概念(判断者・固定時期・後遺障害診断書・症状固定後の治療費等)

交通事故被害に遭われた方が,加害者側保険会社の治療費立替払い(一括手続き)によって医療機関で治療を受けていた場合,一定の時期がくると保険会社担当者から,そろそろ症状固定時期ですので,治療費の一括手続きの打ち切りをしますと言われます。 “交通事故における症状固定の概念(判断者・固定時期・後遺障害診断書・症状固定後の治療費等)” の続きを読む

【退職金差額請求】交通事故により死亡又は後遺障害を負った被害者は加害者に逸失利益として退職金差額を請求できるか

交通事故被害に遭われ,不幸にも死亡してしまったり,[後遺障害]が残ってしまった場合,交通事故に遭わなければ得られたであろう給与所得については,[死亡逸失利益]又は[後遺障害逸失利益]として,損害賠償を受けることができることに争いはありません。 “【退職金差額請求】交通事故により死亡又は後遺障害を負った被害者は加害者に逸失利益として退職金差額を請求できるか” の続きを読む

低速度衝突事故・軽微追突事故でもむち打ち(ムチ打ち)による頚椎捻挫症状が発症するかについての基本的考え方と裁判例の紹介

交通事故事件に携わっていると,低速度の軽微追突事故事案であるにもかかわらず,被害者の方から,長期間通院をしたとして,高額の治療費・慰謝料の請求がなされることが多くあります。 “低速度衝突事故・軽微追突事故でもむち打ち(ムチ打ち)による頚椎捻挫症状が発症するかについての基本的考え方と裁判例の紹介” の続きを読む