近親者固有の慰謝料請求権について(交通事故被害者の親族は被害者本人の損害とは別に自身の精神的損害の賠償請求ができるか)

交通事故に起因する損害賠償は,被害者が被った損害の賠償を加害者に対して請求するものですので,原則として,請求権者は損害を被った被害者本人に限定されるはずです(民法709条参照)。

もっとも,交通事故によってその被害者が死亡したり重度の後遺障害を負ったりした場合には,交通事故被害者本人のみならずその家族・親族も大きな精神的苦痛を被ることが容易に想像ができます。

そこで,法は,この被害者の親族自身が被る精神的損害についても一定の填補を得ることができるとしています。いわゆる近親者固有の慰謝料です。 “近親者固有の慰謝料請求権について(交通事故被害者の親族は被害者本人の損害とは別に自身の精神的損害の賠償請求ができるか)” の続きを読む

婚姻前妊娠の結果できちゃった結婚・授かり婚をした夫婦から産まれた子供の法律上の父親は誰か?

できちゃった結婚(できちゃった婚・授かり婚・でき婚)は,出産と結婚という二重のおめでたい出来事です。

ところが,日本では,いまだに「結婚→妊娠→出産」が正道であるというイメージが強く,未だに良くないイメージを持たれたりすることもあります。

このイメージはおいておいて,本稿では,できちゃった結婚の法的問題点,具体的には産まれてくる子の法律上の父親の立場について考えていこうと思います。 “婚姻前妊娠の結果できちゃった結婚・授かり婚をした夫婦から産まれた子供の法律上の父親は誰か?” の続きを読む

宇治簡易裁判所(宇治簡裁)への徒歩での行き方(京阪宇治線・宇治駅からのアクセスを画像で紹介)

宇治簡易裁判所は,京阪宇治線・宇治駅の南西約1.5kmに位置しており,同駅から徒歩で行くと,大人の足で25分程度の道のりです。 “宇治簡易裁判所(宇治簡裁)への徒歩での行き方(京阪宇治線・宇治駅からのアクセスを画像で紹介)” の続きを読む

乗客の乗っていないタクシーに手を挙げても止まってもらえずスルーされることがある法律上の理由

タクシーに乗ろうと思って,乗客の乗っていないタクシーに向かって手を挙げても,止まることなく通り過ぎられてしまった経験はありませんか?

回送表示や運転手に気が付かれなかった場合はまだしも,空車の表示だったり,運転手と明らかに目があったりした場合でもスルーされてしまうことがよくあります。

急いでいるときなどは,焦りを超えて,怒りさえ感じることもあります。

なぜ,このようなことが起こるのでしょうか。 “乗客の乗っていないタクシーに手を挙げても止まってもらえずスルーされることがある法律上の理由” の続きを読む

税務調査の対象となり調査官から修正申告を求められた場合の注意点(更正処分を求めた後に税務訴訟で闘う方法もある)

日本では,法人及び個人事業主についての国税(法人税・所得税・消費税・法人税等)については,納税者が自ら自身の所得を税務署に申告して課税額を特定し,その上で自ら納税をする申告納税制度が採用されています。 “税務調査の対象となり調査官から修正申告を求められた場合の注意点(更正処分を求めた後に税務訴訟で闘う方法もある)” の続きを読む

労働基準法にいう労働時間についての基本的な考え方(未払賃金請求訴訟提起のための前提知識)

残業や休日出勤をしているにもかかわらず,これに対する対価が勤務先から支払われない場合,未払いの賃金を勤務先に請求することが出来ます。

では,ここでいう残業や休日出勤とはどのようなものをいうのでしょうか。

以下,残業や休日出勤について理解するため,その前提となる労働時間の基本的な考え方を説明します。 “労働基準法にいう労働時間についての基本的な考え方(未払賃金請求訴訟提起のための前提知識)” の続きを読む

キラキラネーム・DQNネームを改名したい場合の法的手続きとは(家庭裁判所への名の変更許可申請と市区町村役場への届け出が必要である理由)

名前に使える漢字は,常用漢字・人名用漢字の範囲内という制限がありますが(戸籍法50条,同施行規則60条),読み方には制限がありません。

名前の読み方を規制する法律がないからです。

そこで,子供が産まれた際,親権者は,前記制限の範囲内で漢字(ひらがな・カタカナも可)を選択し,そこに自由な読み方を付することが出来ます。

このことがメディアを通じて世間に周知された結果,一時的に大流行したのが,本稿のテーマである読めない名前=キラキラネームです。 “キラキラネーム・DQNネームを改名したい場合の法的手続きとは(家庭裁判所への名の変更許可申請と市区町村役場への届け出が必要である理由)” の続きを読む

【他車運転特約とは】他人の車を借りて運転中に交通事故を起こした場合,自家用車付保の自動車保険を使えるか

自家用車を所有している方であっても,他人の自動車を借りて運転されることはよくあることだと思います。親族・友人の車のみならず,レンタカーや会社の車を含めると,日常的に他人の車を運転されている方は多いのではないでしょうか。

他人の自動車を借りて運転する回数が多ければ,その分交通事故を起こしてしまう可能性も高くなります。

このように他人の自動車を借りて運転していた際に交通事故を起こしてしまった場合,借りている自動車に付保している保険使用の検討はできるのはもちろんですが,これと併せて,運転者の「自家用車に付保している自動車保険」を使える場合があります。

この他人の自動車を運転していた際に起こしてしまった事故を,運転者の付保している自動車の自動車保険によって填補する保険を他車運転特約といいます。 “【他車運転特約とは】他人の車を借りて運転中に交通事故を起こした場合,自家用車付保の自動車保険を使えるか” の続きを読む

交通事故加害者が被害者からの高圧的態度に屈して意に反する示談書・念書等にサインをした場合にその効力を覆せるか(法律構成と裁判例の紹介も)

交通事故を起こしてしまった加害者が,被害者側から高圧的な態度をとられて,無理矢理全過失を認めるとか,高額の損害賠償をするという内容の念書・誓約書・示談書等にサインをさせられてしまうことが散見されます。 “交通事故加害者が被害者からの高圧的態度に屈して意に反する示談書・念書等にサインをした場合にその効力を覆せるか(法律構成と裁判例の紹介も)” の続きを読む

刑罰を科されるとはどういうことか(刑法等の刑罰法規に反したことを刑事訴訟法に基づく刑事裁判手続きで認定されてはじめて刑事罰を受けることになる意味)

ある人が犯罪を犯した場合,警察・検察という捜査機関が集めた証拠を基に,裁判所の判断がなされてはじめて刑罰が科されます。例外はありません。

すなわち,刑罰権は国家において独占されており,国民による私的制裁は禁止されています。

では,この刑事罰を受けるという意味について,この刑罰権の行使についての基本的な考え方・問題点の順に簡単に説明します。 “刑罰を科されるとはどういうことか(刑法等の刑罰法規に反したことを刑事訴訟法に基づく刑事裁判手続きで認定されてはじめて刑事罰を受けることになる意味)” の続きを読む