判例による過失相殺減額の適用拡大(過失相殺能力の緩和・被害者側の過失)と歯止め

交通事故により他人に損害を及ぼした場合に賠償責任を負う根拠は,主に不法行為に基づく損害賠償責任です(民法709条)。

不法行為に基づく損害賠償責任は,過失責任であり,被害者に過失があった場合には,過失相殺がなされます。 “判例による過失相殺減額の適用拡大(過失相殺能力の緩和・被害者側の過失)と歯止め” の続きを読む

交通事故による後遺障害慰謝料計算額の相場(赤本・青本・緑本では同じ自賠責等級でも裁判基準額・弁護士基準額が異なる)

交通事故被害に遭い,不幸にも後遺障害が残ってしまった場合,加害者に対して,自賠責保険又は裁判所によって認定された後遺障害等級に応じて後遺障害慰謝料を請求できることはよく知られています。

もっとも,この後遺障害慰謝料が,同じ等級であっても,赤本(東京基準),緑本(大阪基準),青本で微妙に違っていることは意外に知られていません。

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酒気帯び運転・飲酒運転は交通事故の過失割合にどのように影響するかを裁判例の修正率を基に検討する

わが国には,「何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」との法律があり(道路交通法65条1項),これに違反して酒気帯び運転をした場合,刑事上,5年以下の懲役又は100万円以下の刑事処分を科せられることとなります(道路交通法117条の2第1項)。

では,この酒気帯び状態で交通事故を起こした場合,民事上は過失割合にいかなる影響を及ぼすのでしょうか。酒気帯び運転の事実により,直ちに同運転者に不利益な過失修正がなされるのか問題となります。 “酒気帯び運転・飲酒運転は交通事故の過失割合にどのように影響するかを裁判例の修正率を基に検討する” の続きを読む

相続税の基礎控除額の減額により相続人間の遺産紛争が増加している

相続税法改正により,平成27年1月1日以後に発生した相続につき,相続や遺贈により取得する財産にかかる相続税の基礎控除額が減額されました。

しかも,基礎控除額の減額割合は,なんと以下のとおりそれまでの60%です。

(改正前)5000万円+(1000万円×法定相続人数)

(改正後)3000万円+(600万円×法定相続人数)

この相続税の基礎控除額の減額により,相続税納付を要する相続件数が激増することになった上,遺産をめぐる紛争が増加しているようです。どういうことでしょうか。 “相続税の基礎控除額の減額により相続人間の遺産紛争が増加している” の続きを読む

交通事故加害者が被害車両の時価額全額を支払った場合当該車両の所有権を取得する理由

交通事故を起こし100%の過失割合によるとされた場合であり,かつ被害車両が全損と評価された場合には,交通事故を起こした加害者が被害車両の全損時価額の全額の支払いをした場合には(なお,双方に過失がある場合に過失分のみ支払ったにすぎない事案は除きます。),当該加害者が,被害車両の所有権を取得します。

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過失割合に関係なく交通事故被害者も健康保険請求はできます(医者が言う「交通事故による治療には健康保険は使えません」はほとんど嘘)

交通事故損害賠償事件を担当していると,よく被害者の方から,医者から,交通事故に基づく怪我の治療には健康保険が使えないと説明されたと,聞かされることがあります。

この医者の説明は,ほとんどが嘘です。

では,なぜ,医者はこのような嘘をつくのでしょうか。 “過失割合に関係なく交通事故被害者も健康保険請求はできます(医者が言う「交通事故による治療には健康保険は使えません」はほとんど嘘)” の続きを読む

交通事故による死亡被害者の葬儀関係費用を加害者に請求するのに立証資料は不要です

交通事故被害に遭われ,被害者の方が不幸にも亡くなられた場合,その葬儀を執り行って葬儀関係費用を支出した親族が,加害者に対して,固有の損害として当該葬儀関係費の請求をすることになります。 “交通事故による死亡被害者の葬儀関係費用を加害者に請求するのに立証資料は不要です” の続きを読む

初めての刑事裁判傍聴を有意義にするために知っておくべき公判手続きの概略とは

本稿は,初めて刑事裁判手続きを傍聴に行かれる方のために,刑事公判廷で何が行われているのかを事前に認識いただき,意味ある裁判傍聴としていただくために,簡潔に刑事公判手続きの基本的な流れを説明するものです(一応,通常裁判を念頭に置いていますが,裁判員裁判においても基本的な流れは同じです。)。

裁判傍聴の前に,一読いただければと思います。 “初めての刑事裁判傍聴を有意義にするために知っておくべき公判手続きの概略とは” の続きを読む

交通事故示談の際に加害者側保険会社が示談書ではなく免責証書を送ってくる理由

交通事故被害に遭った場合,加害車両に任意保険会社が付保されていれば,通常,示談交渉は,保険会社担当者との間で行うこととなります。

そして,交渉の結果,示談合意に至り書面を交わす段になると,通常,通常当該任意保険会社から同社所定の免責証書という書面が送られてきて,それに被害者が書面押印することで示談合意があったとされることとなります。 “交通事故示談の際に加害者側保険会社が示談書ではなく免責証書を送ってくる理由” の続きを読む